その後、眉済派の兄貴や舎弟達に会いに行くと…
阿蒜「うわぁぁぁぁぁぁん!!!!!伊武の兄貴ぃっ!!おかえりなさいませぇぇぇぇっ!!!!」
阿蒜が勢いよく走ってきて、俺に抱き付いてきた。
伊武「…阿蒜ぅ、そんなに抱き付いていいのか?俺の体、めちゃくちゃ汚れてるぞ?あいつらが今まで馬鹿みてぇに触ってきたから」
阿蒜「そんなの気にしませんよ!伊武の兄貴は伊武の兄貴ですから!」
伊武「てかお前、全身血まみれじゃねぇか」
阿蒜「はい…正直、めっちゃ痛いです!けど、兄貴が今まで心や体に受けてきた傷に比べれば、こんなもの怪我の内に入りません!」
そう言って、明るく笑ってみせる阿蒜。「痛い」っていうのは隠しきれてなかったが。
普段なら何ともない景色だ。けど、今日はそれが嬉しくてたまらない。
伊武「…ありがとう」
阿蒜「え?…兄貴、何か言いました?」
伊武「いや、何でも」
闇医者に行ってこい、と阿蒜を諭し、俺はすぐそこにいる眉済の兄貴の方を向いた。
伊武「眉済の兄貴、ありがとうございました。それと…色々迷惑をかけて、すみませんでした」
眉済「礼なら、龍本に言えよ。こいつが誰より必死に情報探して一番に気付いて、俺に知らせてくれたんだからな」
龍本「!ちょっ…!!兄貴!」
伊武「!!…」
そう言って眉済の兄貴は龍本の兄貴を見やった。
後から眉済の兄貴に聞いた話によると、黒澤から連絡を受けた日、龍本の兄貴は眉済の兄貴に電話を代わってもらうと、受話器越しに黒澤に向かってこう言ったらしい。
『あいつがそんなことするわけねぇだろうが!!それ以上俺の恋人を侮辱するってんなら、容赦しねぇぞ!!』
伊武「龍本の兄貴、ありがとうございました。…必死になってくれてたんですね。俺のために」
俺が微笑すると、龍本の兄貴も困ったように笑った。
龍本「お前があいつらにいいようにされてるのは嫌だったからな。…俺が初めて、本気で好きになった奴なのに」
兄貴は最後だけ、小声で言った。
そして、恥ずかしそうに俺に歩み寄ると―もう一度、俺を抱き締めた。今度は、優しくも強いもので。
龍本「…愛してる」
伊武「俺もです。…もう、離したりしないで下さい……」
そして、二人は互いを愛おしそうに見つめ合った後、その唇を静かに重ね合った。
阿蒜(おっ!見つめ合ってる…ついに…キスするのか?!しないのか?!)
村井「こら阿蒜、お邪魔虫だぞ」
阿蒜「ごえぇっ!!(な、何もヘッドロックかけなくても!!)」
おまけ 鮫洲の兄貴と阿蒜君のカチコミ
阿蒜「伊武の兄貴に好き勝手しやがって!全員地獄行っとけ!」
黒澤派A「ぐはぁっ!!」
鮫洲「おい阿蒜!雑魚は俺が殺っとくから、さっさと映像壊して来い!もし伊武の兄貴のアダルトが世に出回るようなことになったら、お前のはライブ配信にしてやるからな!」
阿蒜「最悪だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!(アダルトをライブ配信とか、鮫洲の兄貴エグすぎだろ!!!)」
なりたくない玩具 最終回 END.
コメント
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ハッピーエンドになって良かったぁぁぁん!!!そしてアビくんお疲れ様でございます