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翌日から俺の朝の日課は自分の机の掃除になった。昼休みになれば持ち物が必ず3つは無くなり、床を引きづられ見せ物にされる。靴が無くなるせいで下校時刻は俺だけ毎日8時頃だ。
そんな生活が1ヶ月続いた─────
あぁ……辛いって言うのはこういうことを言うのか。
自分でもなんでこんなところに1ヶ月通っているのか、訳が分からなくなってきていた。
中学までは自分の「路」を歩めずに辛い思いをしていた。と、思っていた。だがそれはただのわがままだったのかもしれないと思い始めた自分がそこにはいた。今までとは全く違う重い辛み。そして今まで背負ってきた辛み。それは他人からすれば1円玉よりもそこらへんの空気よりも軽いものかもしれない。だが、その辛みは今、俺の上に宇宙よりも大きく、重く、のしかかり、俺の心身を潰しにかかっていた。
それでもここにいるのは明日は、来週は、来月は何かが変わるかもしれないと思って、自分の「路」を変えられるかもしれないと思って、そのときまでのための高校だと自分に言い聞かせているからだった。
そうだ、だから1ヶ月も通っているのだ。
今までのものを台無しにはしたくない。その一心でまた明日を始めるのだった。