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しかし、世界というのはどうやら堕ちる人をとことん堕としたいらしい。
父が死んだ───────────
父は、いつも静かに温かく優しく見守ってくれる太陽のような、月のような、そんな存在だった。
「路の好きなことを好きなだけやりなさい。」
「後悔しないように生きていきなさい。」
と、俺の周りとは真反対の意見をしてくれる唯一の人であり、この世で一番大切な人だった。
俺は話さなかったが、俺の辛さをよく理解しているようだった。だからだろうか、特にココ最近は
俺によく気を使ってくれていたような気がしていた。
これで俺には護ってくれる人が誰一人としていなくなった。今までの辛さに「孤独」という辛さが上乗せされた。
「父さん……俺は……好きなことをすればいいんだよな?」
もちろん返事はない。しかし、路はここである決意をしたのだった。自分で決めて行動しようとしているのだ。
「自分でレールを切ってしまえば……自分で本を閉じてしまえば……それは自分の新しいレールで……それは自分の新しい本……だよな?」