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朝焼けの村は活気に満ちていた。 だがレイはその明るさに馴染める気がしないまま、黙々と装束店まで歩いていく。
「……派手なのは嫌だ。俺には黒が似合う」
そう呟きながら、店内で黒尽くめの服やコートを選ぶ。
鏡の前に立つ自分は、どこか冷たげな目をしている。
「……まあ、これなら悪くねえ。どうせ目立ちたくなんかないしな。……これ、くれ」
店主「はいよっ、お客さん。あんた、随分と目つきが……いや、なんでもないよ」
「無駄口はいい。これで足りるだろ?」
金を払って店を出ると、そのままギルドの建物へと向かう。
ギルドの中は、ごった返す冒険者たちや、依頼の掲示板で賑わっていた。 カウンターに進み、事務的に登録用紙を差し出す。
「登録、頼む。さっさと終わらせてくれ」
受付「確認します名前と職業は?」
「レイ職業は魔術師だ。」
受付「了解しました」
ふと、背後で聞き覚えのある声がした。
少女「あ、あの時の……!すみません、本当に昨日はありがとうございました!」
もう一人の少女「お兄さんもギルド登録しに来たんですか?」
見ると、昨日助けたあの少女二人。どうやら同じく冒険者登録らしい。
レイは軽く眉をひそめ、面倒くさそうに吐き捨てる。
「……別に俺には関係ねぇ勝手にやれ」
二人が何か言いかけたが、レイは無視してギルドを出ていく。
受付嬢(…今の人、どこかで見たことがあるような……こんなに雰囲気が張り詰めてたっけ?)
レイはそのまま、各種討伐依頼を次々と受けて村の外に出ていった。
「どうせ雑魚ばっかだろ。さっさと終わらせてやるよ」
レイの繰り出す黒煙の魔法とアビス・ブレイドは圧倒的だった。
魔獣や盗賊、山賊を次々と討伐し、討伐報告書がギルドに山積みにされる。
冒険者A「おい、あの野郎……また大量に依頼こなしてやがる……」
冒険者B「信じられねぇ、昨日登録したばかりだぞ? ランク、もうDになってるらしい」
冒険者C「やべぇな。あいつ、なんか闇を背負ってる感じ……下手に絡むとやられるぞ……」
そんな噂話が周囲で囁かれても、レイは何の興味も示さない。
「他人の目なんて知ったこっちゃねぇ。俺はやりたいようにやる……邪魔する奴は、叩き潰すだけだ」
ギルド受付で報告を済ませると、さっさと報酬を受け取り、また新しい依頼へと向かう。
受付「ありがとうございました。またのご利用を」
「うるせぇ用が済んだら呼ぶから静かにしてろ」
表情も言葉も、以前より棘が増したレイ。
誰にも頼らず、独りきりのまま、ただ冷めた瞳で次の仕事へと向かっていった――。