「つかれたぁ~ やっとお家帰れる~!」
まだ夏のなごりは消えない秋の昼下がり。この日は友達のるのちゃんは部活だから帰宅部の私は一人で下校をしていた。学校から家までの道は近いからいつも私は歩いて帰る。歩いて帰るのは好きだ。いつも同じ風景に見えるけど自然は変わりゆくもの。一年を通して様々な景色が見れる。だからこの道は何回通ってもあきない。
「ニャン次郎いないかなー」
いまの時期は近くの家のねこちゃんのニャン次郎がひなたぼっこをしているのをよく見かける。その姿はいつ見てもとっても癒される!今日もニャン次郎を探すためにあたりを見回した。
と、そこの近くの道のわきにダンボール箱が置いてあることに気が付いた。落とし物にしては不自然なところにおいてある。ふたも開いている。気になった私はなんだろうと思い近寄り、なかをのぞきこんだ。
「かわいいー!!」
小さなもふもふの身体、細く長いひげ、まだ小さめのうなだれたしっぽ、尖ったみみ、今の空みたいに青くてきれいな、大きなまん丸の瞳。そう、そこにいたのはとても可愛いもふもふのかたまりであった。大体そうだとは思っていた。そのもふもふの猫ちゃんはおびえる様子もなく、声も上げずにぐったりしている。かなり衰弱しているみたいだ。こんなに可愛くて小さいもふもふを放っておくわけにはいかない。私は直感でそう感じた。家で育ててもこの可愛い子なら許してくれるだろう。私の親は動物が好きだしきっと許してくれるはず。まだペットは飼ったことがないから、トイレも餌もない。早く準備しないと。ダンボールを抱きかかえて私は急いで家に帰ることにした。
コメント
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おもしろいの描くね~!