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注意この話は私の妄想の中の話です。ご本人様には関係ないため迷惑行為はご遠慮ください。
また、BLやnmmnを悲観的に見てしまう方やルールを守れない方は閲覧をご遠慮頂いています。
もし、話の内容が被っていたりしたらすみません。
やはり定番は通らざる負えない!
煉先輩が書類整理をしていると、携帯が鳴った。 画面には「皇帝」の名前。
「もしもし、皇帝?」
『……煉先輩、今日、体調が優れないため欠勤する』
声は掠れ、普段の張りのある調子はない。
煉先輩は眉をひそめ、すぐに理解した。
「そっか……熱はあるのか?」
『少しな……寝ておれば治る』
「そうか。……なら、今から様子を見に行くよ」
『い、いや!……煉先輩、わざわざ来る必要はない! 我、一人で大丈夫だ』
「大丈夫じゃないから電話してきたんだろ?」
『……そうだが……』
柔らかい声で、しかし一歩も引かない煉先輩に、皇帝は小さくため息をついた。
『……勝手にすればいい』
「じゃあ勝手に行くよ」
夕方。
チャイムが鳴り、扉を開けると、赤城が買い物袋を下げて立っていた。
「おー、顔赤いな。やっぱまだ熱あるよね」
「な、なぜ……」
「“勝手にすればいい”って言ったじゃん」
部屋に上がると、煉先輩は手際よく氷枕を用意し、スポーツドリンクを用意。
次に小鍋でおかゆを温め、香りが部屋に広がる。
「……すまん、世話をかける」
「いいんだよ。俺がやりたいんだから」
「……」
布団にから上半身だけ起こした皇帝を見て、煉先輩は優しく笑いながら言った。
「じゃあ、少しずつ食べてみて」
差し出されたスプーンに、皇帝はわずかに眉をひそめる。
「……煉先輩、我は子供ではないぞ」
「知ってる。でも今日は“患者”だから、仕方ないよね?」
仕方なさそうに顔を背ける皇帝。
煉先輩はにっこり笑い、少しお粥をすくい、冷ましてから皇帝の口元へ運ぶ。
「……っ……!」
我、頬を赤くしながらも、口を開けざるを得ない。
煉先輩は優しい手つきで食べさせる。
「……美味い……」
「だろ? もう少し食べよ」
「っ……我、別に……腹が減って……」
「減ってるくせに。ほら、次」
仕方なく少しずつ口に運ぶ皇帝。
煉先輩は待たせず、丁寧にけれど手際よくお粥をすくい、笑顔で口元へ。
「……煉先輩……これでは……情けないではないか」
「いや、こういうときくらい甘えて欲しいな」
「……!」
布団に身を沈める皇帝の肩に、そっと手を添える煉先輩。
「明日には元気になれるよ。だからもう少しだけ寝よう?」
皇帝は顔を隠し、声にならない吐息を漏らす。
「……仕方ない先輩だ……」
「うん、その台詞、何度でも聞きたいな」
小さく笑って煉先輩は皇帝が落ち着くまで静かに傍に座り、夜が更けるまで見守った。