コメント
2件
プリンを取りまく日常のやりとりがほのぼのしていてとても好きです! 食べたくなりました(/^-^(^ ^*)/ なので、今日はプッチンプリン🍮を食材と一緒に籠に入れて買ってきます。
カスミは冷蔵庫から二つあるプリンのうち一つを取り出した。
「シュトレーゼの新作、苺ダブルクリームプリン!お母さんが買ってきてくれたんだよね。食べよーっと」
付属のスプーンも一緒に取り出してダイニングテーブルの上に置く。椅子に座ってさあ食べよう、とした所で姉のキリコに呼ばれた。
「カスミ、ちょっと来て」
声は二階からだ。
「もう、食べようと思ったのに」
カスミはぶつぶつ言いながらスプーンを持ったままキリコの元に向かう。
カスミと入れ違いに母がキッチンにやって来た。
「あら誰よ、もう。出しっぱなしで」
母は溜息を吐きながらプリンを冷蔵庫にしまった。冷蔵庫の中のプリンは二つになる。
「ただいま。腹減った、何かある?」
弟のミチオが帰宅してキッチンに入る。
「プリンあるよ」
母のその言葉に、ミチオは冷蔵庫からプリンを一つ取り出した。付属のスプーンも取り出す。冷蔵庫の中のプリンは一つになる。
ミチオは、一口食べると顔を顰める。
「うわ甘!ちょっと無理だわ」
そこにキリコがやって来た。同時にドアチャイムが鳴り、宅配の荷物を知らせる。母は外に出た。
「キリコこれやる。俺無理だわ」
「ええ?ふざけんなよ食べ掛けとか無理」
「じゃあカスミにやって」
ミチオはそう言ってスプーンを捨て、キッチンから出て行った。
「蓋を閉めなさいよ」
キリコは食べ掛けのプリンの蓋を閉め、冷蔵庫に戻す。そしてまだ開封していないプリンを取り出した。冷蔵庫の中のプリンは食べ掛け一つになる。
ダイニングテーブルの席に着いた所で、キリコは付属のスプーンがない事に気づいた。
「あれ?スプーン無いじゃない。もう!」
言いながらスプーンを探しにリビングへと出て行った。そこに母が受け取った荷物を持って帰って来る。
「やだ、また出しっぱなし!全くもう!」
言ってプリンを冷蔵庫の中に戻した。冷蔵庫の中のプリンは、食べ掛け一つと未開封一つの合計二つになった。
そこにカスミが戻って来る。
「キリコったら、急に呼ばないでよね。あれ?プリンが無い。お母さん、ここにあったプリン知らない?」
「出しっぱなしだったから冷蔵庫にしまったわよ?」
カスミが冷蔵庫を開けると、プリンは二つあった。
「あったあった」
カスミがプリンを一つ取り出す。冷蔵庫の中のプリンは一つになった。
カスミがダイニングテーブルの席に着いてプリンを開ける。
「あ!何これ、誰か食べてるんだけど!」
怒るカスミに母は言った。
「さっきミチオが蓋開けて食べてたけど」
「なに!」
カスミは冷蔵庫を開けてもう一つのプリンを取り出した。蓋を開けて誰も食べていない事を確認すると、食べ掛けのプリンに蓋をして冷蔵庫の中に戻した。冷蔵庫の中のプリンは食べ掛け一つになった。
「頂きまーす。あ!スプーン二階に忘れて来ちゃった」
カスミはそう言って、プリンを置いて二階にスプーンを取りに行った。
「だから出しっぱなしにしないでよ!」
母はそう言ってプリンに蓋をして冷蔵庫に戻す。冷蔵庫の中のプリンは食べ掛け一つと未開封一つの合計二つになった。
そこにキリコが戻って来る。
「お母さん、プリンのスプーン無いんだけど」
「なら普通のスプーンで食べれば良いじゃないの」
「あ、そうか」
キリコは普通のスプーンを食器棚から取り出した。そして、冷蔵庫からプリンを一つ取り出す。冷蔵庫の中のプリンは一つになった。その時、ドアチャイムが来客を知らせる。母は外へ出た。
「頂きまーす」
キリコはダイニングテーブルの席に着いてプリンを食べようとした。
「ちょっとお姉ちゃん!来て!」
二階からカスミが呼んだ。
「何よ!もう!」
キリコはプリンを置いて二階に向かった。
そこにミチオが戻って来た。
「お母さん、やっぱり腹減ってるんだけど・・・って居ないし。あー、もうプリンでいいや」
ミチオはダイニングテーブルの上のプリンを見てそう言い、食器棚からスプーンを取り出してプリンの前に座った。蓋を開けて、まだ誰も口を付けていないプリンを食べる。
「うわ、やっぱ甘!」
そこにキリコとカスミが戻って来る。
「何でスプーンだけ持って二階に行くのよ。意味分かんない」
「だってお姉ちゃんが急に呼ぶから慌てたんじゃないの」
「姉ちゃん達、やっぱりこのプリン甘過ぎて無理。食べて」
ミチオはそう言ってキッチンから出て行った。
「はぁ!?」
「・・・!?」
テーブルの上の食べ掛けプリンを横目で見ながら、冷蔵庫に駆け寄るキリコとカスミ。二人で開戸を開けて中のプリンを取り出し、食べ掛けプリンの横に置いて蓋を開けた。
「あー!」
「こらー、ミチオー!」
姉妹で哀しい表情で二つの食べ掛けプリンを見つめた。