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人の断末魔 発砲音 血の水溜り 遺体の山
物騒なものが建物内を埋め尽くしている中、外では花が咲いて、小鳥が鳴いている。
🩵「……3カ国目目か。」
国家転覆は此れで3か国目目だった。
緋月はまだ生きる道があった。
未だ相棒は私に必要だった。
未だ彼女は必要とされていた。
其れなのに何故奪う?
何故彼女の道を崩す?
何故彼女を必要としている者を絶望に落とす?
何故彼女の存在を否定する?
何故彼女が此の世を去らなければならなかった?
🩵「………何故緋月が消えなければならなかった?」
毎日毎日そんな考えを巡らせながら生きていた
然し犯人が確定したあの日から
私の色褪せていた世界は赤くなった
赤く赤く染まっていって
染まってしまった世界はもう戻らなくて
私はずっと此の赤い世界で藻掻いている
🩵「………あ…、」
銃を持っている右手に赤い液体が付いている
其れが何だったのかすら覚えていない
🩵「…………。」
此の赤く染まった手は天使には届かないだろう。
其れどころか、悪魔に身を差し出している。
天使は此の世から飛び立ち、私という罪人は此処で藻掻き苦しんでいる。
悪魔に身を差し出してしまった方が楽になるのかもしれない
🩵「…………でも」
天使に自らを天に返す元凶となった物共の断末魔を、泣き叫び謝りながら地国に墜ちていく物共の姿を送れるというのなら
🩵「…私は喜んで悪魔に身を捧げよう」
さぁ、天使に捧げ物を捧げる時間だ。
END「堕ちた罪人と戻った天使」