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ある晴れた昼下がり。こんな天気のいい日はカメラでも持って散歩に出掛ける。
「(…?こんな道あったっけ?)」
ふと目にした狭い道…。今まで気付かなかったけど探索したい気持ちが増して俺は自然とその狭い道に足が向いていた。
しばらく歩くと雰囲気がガラっと変わる。目の前の景色には家もぽつぽつとしかなく、自然に囲まれている感覚だ。
俺はカメラを覗く。目視で見る景色も良いのだが、やはりカメラから覗く景色の方が最高に綺麗で俺は息をするようにシャッターを押す。
「こんな所あったんだ…。」
家も少なくどことなく空気も澄んでいる気がする。きっと自然が多いからなのだろう、俺はカメラのシャッターを時折切りながら歩き続けた。
「……ん?」
しばらく歩いてカメラを覗いていると一件の家の縁側に人がいるのが見えた。望遠だからこそ見えるが綺麗な着物を着て俯いて座っている。
「…綺麗。」
俺はそう呟くと写真を撮るのをやめて着物姿の人に会いに行く事にした。
茂みを掻き分けて道なき道を行く。すると目の前に茂みが無くなり家に続く道が現れた。
茂みでずっと暗かった視界がぱっと晴れてこれまた綺麗な景色が俺の目に飛び込んで来た。
一枚写真を撮りしばらくその情景を眺めてから俺は自分の服の汚れを払い目的地であった家へと向かう。
敷地の入り口に木の扉がありそれをゆっくり押して中に入る。右手奥に家の玄関、左奥に恐らく先ほど見えていた縁側があるのだろう。
俺は一目見たくて左の方へと歩みを進める。するとそこには想定通り縁側と着物姿の人があった。
「…あ、あの!写真…」
俺が声をかけると、その声に気付きこちらを見る着物姿の人。俺の言葉を遮るように手を口元に当てて静かにするようにジェスチャーされる。
頭を下げてどうしようか悩んでいると、手招きの合図をされる。俺は何の警戒もなく静かに着物姿の人の元へと向かっていった…。
第二話へ続く。