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#普通
野々さくら
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ありあ
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皆がスレッドのやり取りを見終わると龍河は話を続けた。
「調べた限りだと、これが発端らしいな」
テーブルに肘をつきながら、静かに息を吐く。
「確かに目撃情報っぽいけど・・・
何というか、相手にされてない感じですね
後半とか特にニートいじりしかないし(笑)」
茜はスレッドのやり取りを小馬鹿にする様に小さく笑う。
「まぁ時代もあるんだろうな、この時代は特に
ネットにある情報=嘘が大半みたいなイメージ
だったから、相手にされてなかったんじゃないかな」
「なるほど・・・」
茜は納得した様に頷く。
「このスレは程なくして『スレ主の嘘だ!』
って結論で終わったんだけどな」
一度終息したかに見えた噂。しかし、それで終わりではなかった。
「それからたびたび見かけたって
ヤツが現れ出して『乗ったら最後の一人に
なるまで殺し合いをさせられる』とか」
少し間を置き、さらに続ける。
「『異世界に連れて行かれる』とか
背鰭尾鰭がついて色々着色されていった結果
重要な選択を迫られるカルネアデスバス
って名前で呼ばれるようになったらしい」
信愛は黙ったまま俯き、顎に手を当てて考え込む。
その様子に気付いた美月が優しく声をかけた。
「白縫さん?どうかした?」
朝陽も心配そうに続ける。
「何か気になる事でもありましたか?」
信愛はゆっくりと龍河へ視線を向けた。
「馬場さん?」
「ん?どうした?」
「初めてカルネアデスバスが目撃されたのが
7月25日ってそう言ってましたよね?」
「ああ、調べた限りではそれが一番古い情報だな」
信愛は小さく呟く。
「6月7日を1日目とするなら25日は49日後になる」
さくらが首を傾げる。
「それがどうかしたの?」
焔垂も不思議そうな顔をした。
「四十九日って言いたいのか?」
「うん・・・」
龍河は信愛の表情を見つめる。
「四十九日がどうかしたのか?」
信愛は我に返ったように目を瞬かせる。
「あ、いや、特に・・・」
茜が苦笑しながら肩をすくめた。
「話してみなよ信愛。こう言う時の
信愛ってめっちゃ冴えてるから」
龍河は興味深そうに眉を上げる。
「そうなのか?」
「いや、そんな事無いですよ」
信愛は慌てて首を振る。
「茜!変な事言わないでよね?」
それから龍河へ向き直り、申し訳なさそうに頭を下げた。
「すいません馬場さん。今の話は忘れてください」
「うー・・・ん」
龍河は腕を組み、少し考え込む。
「でも気になる事があるのは確かなんだろ?」
「まぁ、そうですけど
私の勝手な解釈だし有益かどうか・・・」
龍河は穏やかに微笑んだ。
「有益かどうかは、話を聞いてみないと
なんとも言えないからな
とりあえず話だけでも聞かせてもらえないか?
有益かどうかは、それから判断するから」
信愛は小さく頷いた。
「わかりました・・・」
信愛は少し考えながら、ゆっくりと口を開いた。
「一般的に亡くなった人は、亡くなった日から
49日後に霊になるって言われてるんです」
龍河はその言葉に何かを思い出したように眉を上げる。
「そう言えば、6月7日がどうとか言ってたよな?」
「はい・・・」
信愛は静かに頷いた。
「7月25日は6月7日の丁度49日後ですから」
「その6月7日ってのは?」
「私たちも今日初めて知ったんですけど
2000年の6月7日にバスジャック事件
があったらしいんです」
龍河の表情が変わった。
「ああ知ってるよ。狗頸バスジャックだろ?」
記憶を辿るように視線を落とす。
「俺も当時5歳だったけど
印象に残ってる悲惨な事件だったよな」
だが、すぐに疑問が浮かんだように顔を上げた。
「でも、そのバスジャックと
カルネアデスバスにどんな繋がりが?
バスって繋がりはあるかもしれないけど」
信愛はわずかに息を呑んだ。
「バスジャック事件では
運転手の人が拳銃自殺してるんです」
「ああ・・・そうだな」
「でも、その自殺はただの自殺じゃなくて
犯人に拳銃を渡されて、自分の命と乗客の
命を天秤に掛けさせられた。
要は、重要な『選択』を強要されたんです」
龍河はその言葉を聞き、考え込むように目を細めた。
「なるほどね・・・」
そして、これまでに出てきた情報を一つずつ繋ぎ合わせる。
「カルネアデスバスが初めて
目撃されたのは2000年の7月25日
その49日前には狗頸バスジャックが起きており
その運転手は重要な『選択』の末に拳銃自殺」
龍河は信愛を見つめた。
「その亡くなった運転手は四十九日を過ぎ霊となり
カルネアデスバスは、その運転手の霊が憑依したバス
君はそう言いたいんだな?」
「あくまでも私の個人的な予測ですけど」
さくらが疑問を口にする。
「でもさ?6月7日の49日後って7月26日じゃない?」
「普通だとそうだけど、人が亡くなった場合
仏教では亡くなった日を1日目として数えるの」
「ああ、なるほど・・1日ズレるんだね」
茜は信愛の言葉に納得した様に手を叩く。
「でもなんでバスに取り憑く訳?」
さくらの素朴な疑問に、龍河は少し考えたあと、静かに答えた。
「恨みがあるのかもな」
「恨み?」
「当時は今ほど公共交通の安全対策は万全じゃなかった
だから、あんな悲惨なバスジャックが起きた」
龍河の声に、どこか重苦しい響きが混じる。
「しかもそれ以降も、何度もバスジャックは起きてる
人一人が自決する決断をしたのにな」
信愛は何も言わず、その言葉に耳を傾けていた。
「そして世界的にも、バスジャックは何度も起きてる
最近だと去年の9月にアメリカで起きてる」
「アメリカであったんだ」
「ああ。ロサンゼルスメトロ
バスジャック事件ってのがな」
龍河は淡々と続ける。
「安全対策が万全じゃ無かったせいで
バスジャックが起き、人一人の命が犠牲になった」
さらに、声を落とす。
「確かに2023年以降、バスジャックは
減少傾向にあるけど、バスジャック自体が
無くなったって訳じゃない」
龍河はテーブルの上に視線を落とした。
「それに憤りを感じてるのかもしれない」
その言葉を聞いた瞬間、朝陽が小さく呟く。
「俺は何のために命を犠牲にしたんだよ!
みたいな感じでしょうか?」
「カルネアデスバスが運転手が憑依したバス
そう考えるなら、その可能性もあるかもな
バスの行き先表示に『選択』と表示
されてる事とも辻褄が合うからな」
龍河は顎に手を当てながら小さく呟く。
「運転手は重要な『選択』の末に
亡くなった訳ですからね」
焔垂は龍河の言葉に分かりみが深いと言った様子で、何度も頷きながら口にする。
コメント
1件
めっちゃ面白かった!!😭✨ 信愛ちゃんの「四十九日」の気づき、ゾワッとした…。狗頸バスジャックと繋がるって、伏線の張り方エグすぎる! 龍河さんの「恨みがあるのかもな」って言葉、重くてグッときた。朝陽くんの呟きも刺さる…。 運転手さんの選択の重みがひしひし伝わってきて、続きが気になって仕方ないよ!!🔥💕