「犯人射殺完了」
「つぼつぼ、100点だ。この犯人を護送しなさい」
「了解ッス、キャップ」
:特殊刑事課のNo.0がNo.1の新しい顔を知るお話。
キャップ視点。
「からあげ美味しい…」
「いつも食べてますよね署長」
「ああ、ひとついるか?」
「遠慮しときます」
「お、つぼつぼにたこ署長」
いつもの様に大型を片付けて、警察はチルタイムに突入した。
先ほどはオイルリグ。らだおくんのヘリが大活躍したり、つぼつぼが犯人射殺したりして犯人をきちんと逮捕。プリズンに送ったあとにみんなは弁当やホットドッグなどを美味しそうに頬張っていた。
私もコーラを飲んで警察署を歩き回っていると、あからさまにチルなつぼつぼと馬ウアーを発見した。
「キャップ、お疲れ様です」
「ああ、先ほどの大型の動きはよかったぞ」「昇進ですか」
「いや、バットじゃないからノーカンだ」
「ちくしょう、やられたぜ…」
そう言ってハンバーガーを頬張るつぼつぼ。サングラスごしに見える美しい目に少しみとれかけたが、いつものつぼつぼを思い出してはっとする。
すると、いきなり馬ウアーがパワーワードを放ってきた。
「そういえばつぼつぼ、今日はデートの日らしいな」
「…………は?」
「そうっすね、そろそろ時間だし行かないといけない…行ってきます」
「ああ、楽しんできてな」
「え、え?ちょっと待ちなさいつぼつぼ」
「なんすかキャップ、俺は急いでるんです」
つぼつぼがデート?彼女いたのかこいつ?裏切りやがって。
怒りよりも驚きが隠せなくて「えっ」と言いながら半笑いになる。
「じゃ」
「…………………まじか」
これは変装を準備していたかいがあった。追跡開始。
振動が鳴り響く。つぼつぼは暗い洞窟の中にいた。
…なんで洞窟?最近は洞窟デートっていうのもあるのか?時代だな。
そんな呑気なことを考えていると、電話をかけていたつぼつぼはため息をついた。
「………やっぱこねぇじゃん」
いつもより話し方が優しいのは「おお」と自分の中で思った。
私の変装はFBI。ハワイのやつだ。
まぁ真っ黒といっておけばいいだろう。
「あ」
電話が繋がったらしい。つぼつぼは深呼吸をして電話の相手に話しかける。
「……もしもし」
「そうだよ、匠」
「もう洞窟の中にいる」
「わかった」
ツー、ツー…
…その彼女さんは匠呼びなのか、なかなか親しいな。
すると足音が聞こえてきた。
「っ、おじ、さん…」
え
「匠、久しぶりだな」
「……日本でトラブったんだって?」
「ああ、日本の警察はクソだ。やはりロスサントスに限る」
登場したのは、壺浦勲だった。
いや、久しぶりに見た。てかデート?あいつとつぼつぼがデートするのか?
「叔父さん、俺さ。特殊刑事課になったんだ!エリートの部隊」
「なんだそれは」
「キャップもいるんだ、ましゃかりトラボルタ!」
「おお、それは楽しそうだ」
いつもと口調が違うつぼつぼを見て微笑む。話したくなってしまったので、声を出す。
「久しぶりだな」
「……噂をすれば、か」
「きゃ、キャップ」
「デートと聞いてくれば…ただのジジイか」
「あ゛?」
「匠、警察はどうだ」
「楽しい…ぜ!」
「それはよかったな」
二人だけの世界が展開されていて近づけない。なんだかほわほわしてる会話だ。
「じゃあ、飛行機に遅れるから。じゃ」
「叔父さん、じゃあな」
「なんでデートなんて行ったんだ?」
「いや、大切な用事だったんで」
「勲に会うのにか?」
「叔父さんに憧れて、警察なりましたから」
今日も1日、元気な「強盗向かいます!」という声が聞こえた。
「つぼつぼ、今日も100点だ」
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