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14 - 第13話

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2023年07月15日

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あの後、診察で疲労と言われた俺は点滴を打たれ、2、3日は絶対安静と言われて、また向井さんたちの家に連れていかれた。帰ってきた頃には日が昇っていた。

「…とりあえず3日は学校休むんやから、お友達さんに連絡しよ。」

「…画面見れない、です…」

「そっか…じゃあ…適当に着信履歴の1番上を押すからスピーカーにして伝えな?」

そう言って向井さんは俺の携帯を取って少し操作した後、寝ている俺の枕元に置いた。数コールなると元気な声が聞こえてきた。

「もしもしー!佐久間だよ!」

「…佐久間、俺、涼太。」

「お?涼太からなんて珍しーね?どうしたのー?」

「体調、崩して、3日くらい休むから…欠席連絡、頼んでいい?」

「…3日?え、大丈夫?」

「病院連れてかれたから、大丈夫…」

「誰に?」

「カウンセリングの、先生たち…」

「あー、なら一安心だねぇ!」

「…うん。」

「まぁ、欠席連絡のやつは了解!ちゃんと休むんだよ!」

「…分かった。」

「うん!じゃあお大事にねー!」

そう言って佐久間は電話を切った。

「いいお友達さんもったな。」

「…はい。」

「じゃあ無事欠席の連絡もしたところで、熱はかろうか。」

そう言って昨日と同じように目黒さんは体温計をさしこんだ。暫くして音が鳴り、今度はラウールさんがそれを取り出した。

「…?」

「…どうし、ました?」

「…舘さんさ、昨日点滴したよね?」

「…は、い…しました…けど…」

「…ん?」

「どうしたのラウール?」

「…全然熱下がってないんだけど。」

「「え?」」

驚いたようにしてこちらを見る目黒さんと向井さん。確かに昨日から全く体調は良くなってない。点滴をしたあとは少し頭痛とかも引いたが、1時間もしたらまた復活し、顔は暑いけど体は寒いまま。歯がカチカチと音を立てそうなのは必死で我慢していた。

「宮舘くん…我慢してたん?」

「…してない、です…」

「嘘やろ。」

「…」

「…大丈夫、我慢せんでも俺ら呆れて居なくなったりせんよ。力抜きな。」

そう向井さんに言われた瞬間、魔法にかかったかのように体の力が抜けて、またボロボロと涙が溢れた。

「…っ、痛い、痛い痛い痛いっ…寒いぃ…」

「…めめ、毛布もう1枚持ってきて。」

「了解。」

「…、っぅ、やだっやだ、いかないでっ…」

ここまでくると自分が何を言っているのかもう分からなくなっていた。涙も止まることを知らない。

「う…舘さん、10秒で戻るから。ね?」

「やぁっ!痛いの…ひ、く…痛いぃ…」

「めめー、布団持ってきたよー」

「うわ、ラウールまじ助かる。」

「でしょー!…舘さん布団かけるよー」

上から被さる毛布を掴みくるまった。布団から出ていた手を向井さんが掴む。

「わ…冷た…どんだけ我慢しとったんよ…」

「…ぅ…」

「舘さん、どうしたの?」

「…っう…辛いっ寂しいよ…」

「「「…」」」

「なんでっ…なんでぼくだけなのぉ…」

「舘さん…」

「おかあさん…おとう、さん…どこいったのぉ…」

「「「…」」」

「うぇ…ひっく…いたぃ…きもち、わるいぃ…」

「宮舘くん、ここ吐いてええよ。」

「…ぐぅ…えっっ…お゙っ…ぇ、ごほっごほっ…」

苦しい、辛い。そう思っているうちに意識を手放した。




目が覚める頃にはもう夕方で、寝室には誰もいなかった。さっきよりは大分マシになったが、体の怠さと頭痛はまだ健在していた。ゆっくり起き上がってふとベッド横のサイドテーブルを見ると、置き手紙があった。

『宮舘くん仕事の方行ってきます。夕方には3人とも帰ってくるからそれまでは待っててな。

向井 目黒 ラウール』


あ、迷惑かけた。

途中までしか記憶がないのが忌々しい。はやくここを出ないと。そう思った俺はふらふらする体をおさえつけ、いつの間にか着ていたパジャマのまま近くに置いてあったマスクをつけてからドアを開けて外に出た。

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