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凛道桜嵐 新
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がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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あっちを見てもこっちを見ても女装の男ばっかり、女装メイクの趣味の会なのか!?
会場に入ろうとしたら、ワシはスタッフの腕章つけてる人に呼び止められた。
「すみません、入場パンフのご購入をお願いいたします!」
『あ、ご、ごめんなさい!』
どういうことなのか、一刻も早く和泉をとっちめたかったが、決まりを破るわけにもいかない。おとなしく列に並んで入場パンフを買った。
パンフに、どこにどの人がいるかっていうのが載ってないか見たけど、サークルってなんだ? とにかく、売ってる机がありすぎるし、どうもみんな本名でやってないみたいだしで、全然わかんない!
『くそー、しらみつぶしか』
うめいて、とりあえず会場に入る。人がすごい。ほとんどが男で、アニメや漫画みたいな格好の女装の人が3割くらい。すごい女装比率だ……。
しばらくうろうろして、和泉の姿を探す。その時、耳に飛び込んできた声があった。
「すみません、ここで列折れます! 最後尾はこちらです! お待たせいたしますがどうぞよろしくお願いいたします!」
和泉の声だった。え、すぐそこにいる!?
声のした方に振り向くと、長蛇の列と、その長蛇の列の周りで一生懸命列整理してる、長い髪の女の人がいた。
その女の人の顔を見て、ワシは目を見張った。
ものすごく美人ってわけじゃないけど、感じがいい素敵なお姉さん。スレンダーで背の高いお姉さん。
そう、それは、和泉のスマホをこっそり覗いた時に見た女の子を、そのまま大人にした顔だった。
え、なんでこんな所に!? え、和泉、咲さんに会いに行ったんじゃなかったのか!? この人に会いに来たのか!?
その長い髪の素敵なお姉さんが、ふとこっちを見た。
「え、千歳!?」
あまりにも、知ってる声だった。
『い、和泉!?』
え、え、どういうこと、あの女の子、このお姉さんから和泉の声がした、え、ここは女装メイクの趣味の会だから、え、これは和泉!?
「ち、千歳、来ちゃったの!?」
『お、お前、ど、どういうことだ!?』
「え、ええと、咲さんの趣味のメイクの本売りを手伝ってて……」
『女装メイクとは聞いてないぞ!?』
ワシは和泉に駆け寄った。
「いや、ごめん千歳、埋め合わせは後でするからさ、手伝ってくれないかな、人手全然足りないんだ!」
和泉はワシの腕を掴んだ。
「あのさ、ここすごい人が来てるんだ。他のサークルさんの邪魔にならないように、列を整理してもらえないかな。俺、売り子の応援に行く!」
『れ、列整理?』
「あそこに、最後尾って札持ってる人いるだろ。そこに気をつけながら、今列が折れてるところを折れ続けるように注意して、列がまだ伸びるみたいなら同じくらいのところで折って。やれる?」
『や、やれるけど……』
「じゃあ、お願い!」
和泉は拝むように両手を合わせ、列の先へ走っていった。
何がなんだかわからないまま、ワシは列のあちこちを周り、列の折れを呼び掛けたり、最後尾の看板を持ってくださいと注意し続けたりした。
そうやって、どれくらい経っただろうか。
「完売! 完売です!」
和泉が、列にアナウンスするみたいに叫びながら走ってきた。
「刷り増して後日委託予定です! 主催者のTwitterとMisskeyをご確認ください!」
列の人たちに動揺が走ったけど、委託、という一言を聞いてから少し動揺が解けた。列の人たちは「欲しかった……」「まあ、しゃーない」「委託いつだろ」と言いながら、三々五々バラけていった。
和泉がワシのところに来た。
「千歳、お疲れ。本当に助かった、本当ありがとう!」
『いや、いいけどさ……どういうことなんだよ……』
スマホに隠してた写真の女の子、お前の大事な人じゃなかったのか?
いや、こいつに大事な人がいるのは確定だけど、それがスマホに隠した写真の子って思ったのはワシだから、単にこいつ、女装した自分の写真をスマホに入れてただけ、なのか?
和泉は、ちょっと後ろめたそうに言った。
「ごめん、咲さんがメイク好きで、メーキャップ本を売るのも本当なんだけど、それが女装のだよってことはその、隠してた。ごめん」
『この野郎……』
「本当にごめん、あの、それでさ、今、咲さんいるから、千歳を紹介しに行きたいんだけど、ダメ? お礼にお昼奢ってくれるってさ」
『え、そうなのか』
そう言えば、ワシ咲さんに会わなきゃって話あったんだよな。予定より早いけど、まあ、歓迎してくれそうだし……よかったのかな……。
ワシは、和泉について、列があった先の机に向かった。
コメント
1件
みぅです🤍 今回の千歳、本当にびっくりしたよね…! 会場中が女装の男ばかりで混乱する気持ち、めっちゃわかる。それで和泉がまさかあの美人お姉さんだったなんて、衝撃すぎる。でも和泉が困ってるの見てすぐに列整理手伝う千歳、優しいし頼りになるなあ。最後に咲さんに会える流れになったのも、なんだかほっこりしたよ。気になる終わり方だけど、次も楽しみにしてるね🌙