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能研本部・医務室
窓から朝日が差し込む。
北条セツナは静かに目を開けた。
ベッドの横には、眠ったまま椅子にもたれ掛かる燕の姿。
セツナは優しく頭を撫でる。
「……大きくなったね。」
その声に燕が目を覚ます。
「お姉ちゃん!」
再び抱き合う姉妹。
結衣はその様子を見て微笑んだ。
「本当に、よかった。」
リハビリ
数日後。
セツナは訓練場で身体を動かしていた。
しかし、思うように能力を発動できない。
「……っ。」
頭を押さえる。
夢幻が診断結果を見ながら話す。
「Azで長期間、能力を酷使された影響です。」
「身体よりも精神への負担が深刻ですね。」
セツナは苦笑した。
「しばらくは戦えそうにないか。」
燕は首を横に振る。
「無理しないで。」
訓練場
一方、ソウヤはイレイダとの特訓を続けていた。
「もっと腰を落とせ。」
「能力に頼る前に、自分の身体を使え。」
イレイダは一撃でソウヤの体勢を崩す。
「ぐっ!」
何度倒されても、ソウヤは立ち上がる。
その姿を雛儀が笑いながら見ていた。
「根性あるじゃん。」
名取家
惣一は祖父・名取玄一のもとを訪れていた。
玄一は静かに将棋盤を見つめながら言う。
「やつらが動き出したか。」
惣一は頷く。
「予想より早い。」
玄一は一枚の古い巻物を差し出す。
「ならば、これを持っていけ。」
そこには古代から伝わる能力者についての記録が記されていた。
「覇者……。」
惣一はその文字を静かに見つめる。
マスタークラウン本部
円卓に幹部が集まる。
グランが口を開く。
「Azが動いた。」
ペインが笑う。
「研究所一つ潰されて終わりか?」
マランは首を横に振る。
「違う。」
「間宮トオルは、そんな男じゃない。」
アランダが腕を組む。
「何か狙いがあるのね。」
グランは静かに頷く。
「近いうちに接触があるだろう。」
Az・新研究施設
崩壊した研究所とは別の地下施設。
間宮トオルは巨大なスクリーンを見つめていた。
そこには世界中の能力者データ。
「能研。」
「名取家。」
「マスタークラウン。」
「NWO。」
「ハルシオン。」
一つずつ名前を口にする。
「駒は揃いつつある。」
その背後には、オールドマンが静かに立っていた。
漆黒のローブに包まれ、その素顔は見えない。
「……。」
何も語らない。
しかし、その存在感だけで部屋の空気が重くなる。
間宮は振り返ることなく尋ねる。
「準備は?」
オールドマンは低い声で一言だけ答えた。
「問題ない。」
能研本部・屋上
夕暮れ。
ソウヤは街を見下ろしていた。
そこへイレイダが缶コーヒーを片手に現れる。
「飲め。」
「ありがとう。」
二人はしばらく無言で景色を眺める。
やがてイレイダが口を開いた。
「ソウヤ。」
「お前は何のために強くなる。」
突然の問いだった。
ソウヤは少し考え、静かに答える。
「……仲間を守るため…かな。」
イレイダは小さく笑う。
「その答えを忘れるな。」
「力だけを追えば、いずれ自分を見失う。」
その言葉には、自身の過去を知る者だけが持つ重みがあった。
エピローグ
夜。
世界のどこか。
暗い部屋で、一人の男が静かに目を開く。
机の上には一枚の写真。
そこに写っているのは、ソウヤだった。
男は小さく呟く。
「一之瀬ソウヤ……。」
「ようやく見つけた。」
その男の名は――
フラガラッハ・F・ミストルティン。
能力戦艦ハルシオン総司令官。
世界の均衡を見守る男が、ついにソウヤへ興味を示した。
第31話 完
#鬱展開
Mist-404
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mogyumogyuGemi
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コメント
1件
ああ、読了お疲れ様でした!第31話「束の間の日常」、すごく良かったです。セツナが目覚めて燕と再会するシーンがもう…あの「大きくなったね」って台詞に、姉としての想いがぎゅっと詰まってて泣けました。リハビリで思うようにいかないもどかしさとか、ソウヤがイレイダから「力を追うな」と教わる場面の重みも沁みましたね。そしてラスト、まさかハルシオンの総司令官がソウヤを探してたとは…新たな伏線に心拍数上がりました!日常と緊張の緩急が絶妙な回でした。