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冬の真っ白な牢獄の中は冷える。

遠くからの足音が近づいてくるにつれて吐き気がする。気の所為だと誤魔化しながら足音がこの部屋に辿り着くのをただ待っていた。

「月くん。気分はどうですか」

ああ、気持ちが悪い。

「…最悪だよ」

目の前の黒を睨みそう言うと、思っていたより冷たい声が出た。

キラ事件が終結したのはつい先日だ。

こうした竜崎からの二度目となる月の監禁はキラがLに敗北した為であった。

「そうですか。それは良かったです」

なにが良かった、だ。目の前のこいつを殴ってやろうか、と考えたが月の両手手足は手錠と足枷で繋がれているため動かす事も儘ならない。

「…何で来た。直ぐに死刑にでもすればいいだろう。僕の情け無い姿でも嘲笑いに来たのか?」

月の光を灯さない濁った目がLを射抜く。

「それもありますが他の要件で来ました」

「別の要件?」

「はい。月くん、…ここを出たくはありませんか?」

「……は?」

自分でも情けない声が出たと思う。月はキラであった事も忘れる様な抜けた顔をした。

「月くんは意外と表情に出やすいですよね。変わっていないようで何よりです」

Lは月の反応を楽しみながらいつの間にか持ってきていたドーナツを口に運んだ。

「…竜崎、どういう事だ。僕は死刑になるんじゃないのか」

「おや、月くんなら分かると思っていましたが。捕まってから推理力落ちました?」

月は眉間に皺を寄せて、急にそんな事を僕が話されても分かる訳がないだろう。とLに説明を促した。

「…月くんには私、Lの仕事を手伝って欲しいと考えているんです。勿論強制ではありません。どうです、貴方にとって悪い話ではないでしょう」

「…僕が断った場合はどうなるんだ」

「それは予定どうり死刑になりますね」

何処が強制ではありません、だ。僕にとっては強制みたいなものじゃないか。

月は考え少し沈黙した後、渋々頷いた。


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