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勇 斗の部屋。
俺と勇 斗、2人でソファに座りながら笑い話をしていた。
いつも通りの空間……のハズだった。
佐野💟「ねぇ仁 人。」
吉田💛「何?」
勇 斗は俺のことを神妙な顔つきで呼ぶ。
佐野💟「俺さ…」
少し間を空けてから口を開く。
佐野💟「他に好きな人、出来た。」
吉田💛「……は?」
息が詰まる。心臓が痛いくらい脈打っている。
嘘だ。信じたくない。そんな感情が俺のなかで渦巻いている。
吉田💛「誰…?相手。」
佐野💟「内緒。」
勇 斗は笑う。
誰なんだよ。お前はなんで笑ってんだよ。
胸のざわつきが落ち着かない。
吉田💛「っ…そっ……か。」
俺はなんとかそれだけ返す。
佐野💟「うん。」
あっさり返される。
そのまま少し2人の間に沈黙が続く。
たったそれだけなのにやけに勇 斗が遠く感じる。
佐野💟「…だからさ。」
佐野💟「こういうのも、もうやめにしよーぜ。」
何気なく握り合っていた手が離れる。
吉田💛「……………………」
何も言えない。
言いたいことは山程あるのに言葉に出せない。
吉田💛「よくなか。」
思わず鹿児島弁が出てしまう。
でもそんな事は気にしていられない。
佐野💟「ん?」
吉田💛「だから、それ、よくなかよ。」
もう一度ちゃんと聞こえる大きさで放つ。
佐野💟「なんで?」
俺を試すような声。
俺は小さな声で答える。
吉田💛「俺は…勇 斗が、好き。大好きだから。」
静寂がやけに長い。
佐野💟「ほんとに?」
吉田💛「本当。」
勇 斗の顔は見れない。
顔を上げることすら出来ない。
でも、俺は逃げない。
その瞬間。
佐野💟「ごめん。」
勇 斗は吹き出す。
佐野💟「嘘だよ。」
佐野💟「今日、エイプリルフール。」
吉田💛「……………………はぁ?」
顔を上げる。
吉田💛「なにそれ!?」
佐野💟「ごめんって!」
全然悪びれない表情。
吉田💛「最低なんだけど!」
佐野💟「でもさ…。」
少し優しくなる声。
佐野💟「ちゃんと聞けた。」
吉田💛「何が…?」
佐野💟「好きって言葉。」
顔が赤くなる。
吉田💛「それは…!言わされたようなもんだし…!」
佐野💟「でも本音でしょ?」
吉田💛「うぅ……ほんっとウザい……。」
こうやって勇 斗とふざけあっている時間。
さっきまでの不安が一気に消えていく。
あの一瞬の時間でこれがどれだけ幸せなことなのか、分かった気がした。
__________続く♡