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私は口惜しさと後悔から泣き叫んでいた。
一しきり泣きつかれて座っていると、急に地鳴りが起こった。
何が起きたのか―――
驚き、周りを見渡す。
村長さんやルイーズさん、あの少年も慌てているのが分かった。
そして、村長から地龍が起きたという知らせが来て、避難することになる。
何でこんなことに―――?
「今日は立て続けに起こったことでもう気力が限界だった。」
村長の家に来て、あの少年を探した。
しかし、彼がいなかったので、村長に聞いてみた。
そうしたら村長が地龍の撃退に出発したと言った。
「えっ、あんな私と同じ歳くらいの少年に行かせたのですか?」
「そうじゃ―――」
「わしだって止めたが、本人がどうしてもと言って聞かなかった。」
「それにルイーズもこの少年なら大丈夫と言うんでな―――」
「もしあの二人に何かあったらどうするんですか!」
私は少し興奮気味に訴えた。
あの少年は私の恩人―――、それに聞きたいことだってある。
「しかし、あの二人が行かずともいずれ地龍はこの村に来るかもしれん。」
「その時また村人が死ぬかもしれない。」
「それに食料や家に被害がでたら、冬を越すことも難しくなる。」
「それはそうですが・・・。」
私はまた自分の無力さで胸が痛くなった。
どうかあの二人が無事に村に戻ってきますように―――
私はそう信じて待つことにした。
◆◆◆
半日後、ルイーズさんがあの少年を肩を貸して運んで村に戻ってきた。
村の皆、もちろん私も喜んで歓迎した。
あの少年は疲れ切って、気を失っていた。
すぐにルイーズさんの家に運んで、布団の上に横にした。
私が看病したいと村長に申し出た。
私はすぐに少年の元に駆けていった。
すごい安心した顔で眠っている。
闘いに疲れたんだろう―――
この少年は強い―――、そして誰かを助けることのできる優しさを兼ね揃えている。
私はあんな風な強さに憧れ、私も誰かを助けたいと心から思った―――
そして叶うことならあの少年に付いて行きたいとお願いしようか。
そんな風に考えていた。
目が覚めた少年にそのことをお願いしてみた。
いろいろ話したが何とか熱意が伝わり、一緒に旅をしてくれることになった。
◆◆◆
そうして私はこの少年…いやススムさんと一緒にリーヨンの街を目指すことになった。
「お母さん。それじゃ私行ってくるよ。」
「絶対強くなって、困っている人を救える人になるから!!」
これからだ―――
これから私は私のような悲しい犠牲者を出さないように誰かを”救える”人間になるんだ。
そう心から誓い、私はロレーヌの村から旅立つ。