もっともお互いの問題を解決する方法は存在しうるのも事実。問題をその方法を用いれば後戻りができないし、代償も高くつくことだ。結局のところ、その事実が俺を臆病にさせる。要するに、俺にとって全ては『時間』の問題で、その『時間』が俺を不安に陥れることはある。その理由は俺が『時間』切れになることはないけど、俺の『時間』の問題を解決すると彼らが『時間』の問題に直面するから。
「カルム、少し話せるかい?」
俺はカルム王子を食堂で見つけてそう声をかける。彼からこの前要望されたのは王子と呼ぶことも敬うこともやめてくれというものだ。それ以来、俺は彼に対してこう振る舞うようにしている。
「勿論。何についての話だろうか?」
「俺の元婚約者、レイチェル・パンタナールの話をしたくて。俺と破綻して以来、正式で法的な婚約者はいなかった。でも王家との婚約の噂を聞いたような気がしてね、それが真実か知りたくて。」
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