「ギルバート王子とユリアス王子にそのような話が来ていたのは事実だ。しかしながら…」
「彼女はあんまり乗り気とは言えなかった?」
「それに加えて、内向的なギルバート王子とはあまり折り合いがつかないと国王陛下は判断された。ユリアス王子は婚約についての話を自分自身で何もなかったことにしたそうだ。」
「彼女は聡明で美しい。主観的に見ても客観的に見てもそうだ。なぜ彼女は誰とも婚約しなかったんだろう?」
「…これは俺の考えだ。間違っているかもしれない。」
「ぜひ聞かせてほしい。俺にはそういう分野、つまり人の感情の機敏は得意じゃない。君は専門だろ?」
「彼女はまだ忘れられないのかもしれない。お前のことをな、ジョー・アルヴィアン。」
「ひょっとすると、そうなのかも。正直に言うと、俺はまだ彼女を愛している。関係を終わらせたのは本意じゃない。彼女を危険から遠ざけるために選んだ。それは彼女を愛していなかったからじゃなく、むしろ愛していたから。今でも彼女のことを愛していて、だからこそこの関係を先に進めるべきか、進められるべきかわからないんだ。」
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