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#幽霊
凛道桜嵐 新
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#日常
がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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和泉がずっとなんとなく元気なくて心配だ。前言ってた仕事のプレッシャーだと思うけど、なんとか元気づけてやれないかなあ?
そうだ! 今日二十歳のお祝いで寿司行くけど、和泉の分はワシが奢ってやろう!
和泉にそれを言ったら「ありがとう」って言ってくれたけど、やっぱりなんか、憂いのある顔をしてる。うーん、寿司程度じゃダメなのかなあ?
でも、和泉は「これ、約束してたやつ」とビールの詰め合わせをくれた。
『わーい! 今日風呂上がりに飲もっと!』
流石に中学生かそこらの見た目じゃ外で飲めない。寿司ビールもいいもんなんだけどな。
夜に、二人でスシローに向かった。
『奢り合いだからな、お前も遠慮しないで食べていいんだぞ』
「うん、ありがとう」
和泉は笑ったけど、なんかやっぱり元気ない印象が拭えないんだよな……。
スシローに入ったら、お客はそこそこいたけど、レーンに回ってる寿司がすごくまばらだった。
『なんか、全然寿司回ってないぞ?』
「ああ、コロナ禍でね、いつも回る形式じゃなくて、注文した分だけ回ってくるようになったんだ」
『へえー』
回ってくる中から選べないのは少しさみしいけど、ネタが乾いたやつに当たらないのはいいかも。
「でも、寿司もアイスもケーキもたくさんあるからね」
『じゃ、いっぱい注文しよっと!』
2人で席について、ワシはさっそく、マグロとかサーモン炙りとかいくら軍艦とかを頼んだ。和泉は握りの盛り合わせを頼んで、ゆっくりつまむつもりらしかった。
久々の寿司はうまかった。ネタはまあまあだし、シャリも程よく柔らかく、口の中でほどける。回転寿司って言っても、バカにしたもんじゃないな。
和泉の寿司盛り合わせも来たんだけど、寿司にちっちゃなハンバーグとひとくちゼリーがついてて、明らかに子供向けだった。ワシは笑ってしまった。
『それお子様ランチじゃないか!』
「気づかなかった……」
和泉は苦笑した。
「でも別に、ハンバーグもおいしいし」
『遠慮しないで食えよ、いっぱい食って太れ』
毎日あすけんとにらめっこしてこいつに食わせてるんだけど、一向に肉がつかない。こいつ、量をそんなに食べない上に、油ものダメだからなあ……。
「いや、別に遠慮はしてないんだけど、胃の大きさはどうしようもなくてね」
和泉は盛り合わせのエビ握りを頬張った。
『仕事、まだ大変か?』
「……まあ進んではいるんだけど、最後まで気が抜けない」
和泉の顔が、少し暗くなった。
『会社員も大変だな』
なんとかして元気づけてやりたい。和泉が喜びそうなことしてやればいいかな? うーん、春に花見に行った時喜んでたから、また外で弁当食わせればいいかな? でも今は暑いし、秋になったらだな。
『あのさ、秋になって過ごしやすくなったらさ、また公園とか、外に弁当作って持ってくのどうだ? 連休あるし、旅行なんかも奢ってやれるしさ』
「…………」
和泉は、なぜか黙ってしまった。そして、ワシをじっと見た。
『どうした?』
「……俺今日ビール飲んじゃう、お祝いだから」
和泉は、ワシから顔を背けて注文用のタッチパネルを手に取った。
『あっこの野郎、ワシは帰るまで我慢してるのに!』
「帰ったらいくらでも飲んでいいから。帰りのコンビニでビール追加奢ったげるよ」
『本物のビール買えよ』
和泉はビールだけじゃなくて、レモンサワーもハイボールもぐいぐい飲んだ。ワシは大丈夫かなあと思ったけど、普段は全然飲まない奴だから、気晴らしにたまには飲ませてやるかと思った。
……この時、ワシは和泉にすごくひどいこと言ってたって、全然気づかなかった。
コメント
1件
ああ、これめっちゃいい話だ…!千歳が和泉を元気づけようとあれこれ気遣ってるのが伝わってきてほっこりした。スシローで子供向け寿司盛り合わせに笑っちゃう千歳とか、ビール我慢してるのに和泉だけ飲みまくる展開とか、日常の温かさが詰まってるわ。でも最後の「ひどいこと言ってたって気づかなかった」がすごく気になる…!本編との繋がりを考えちゃうな。この二人の距離感、好きだわ。