テラーノベル
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信愛は忍に魂に刻まれた記憶に半人半霊。
そしてその半人半霊を利用した、あの世とこの世のワープについて事細かに話した。
信愛の話を聞いた忍は顎に手を当てて考え込む。
「なるほど・・君の話を整理すると──」
忍は理解を深めるために、信愛から聞いた内容を復唱する。
◇ ◇ ◇
千歳と佳苗は過去に信愛が除霊した霊。
その除霊の際に、信愛が魂に刻まれた記憶を観た事によって、千歳て佳苗は、霊でもない人間でもない半人半霊となり、信愛と魂で繋がったソウルメイト状態になった。
そしてその半人半霊は、あの世とこの世のを自由に行き来できる特異な存在で、任意の人物をあの世に連れて行く事も可能。
更にこの世にもう一人居る、魂に刻まれた記憶を見たソウルメイトをトリガーとして利用する事により、この世に連れて来る事が可能になる。
その役割が今回は焔垂だった。
だからこそ、天縁教団の人間に拉致されたはずの信愛が、自分の家に帰ってくる事が出来た。
なんとも信じ難い話ではあるが、今この瞬間、信愛が目の前に居るという事こそが、それが真実なのだという、何よりの証明になる。
◇ ◇ ◇
ひととおり復唱した忍はさらに首を傾げる。
「オカルト業界に籍を置いて30年以上になるが
こんな突拍子もない話は初めて聞いたよ」
忍は一拍置き、龍河を見る。
「馬場、お前は知っていたのか?この話・・」
「はい。以前、TAMAYAの一件で
本人たちから直接聞かされました」
龍河は澱みなく答えた。
「まるで魔法のような力だ・・・」
忍は感心するように呟くが、ひとつの問題点に気づく。
「いや、発動難易度の高さを考えたら
あながち魔法とも言えないかもしれないな」
その忍が口にした問題点に龍河が細くする。
「魂に刻まれた記憶を見たトリガーが
あの世とこの世に一人づついる事が必須ですからね」
龍河の話を聞き、忍は千歳に視線を移す。
「君・・千歳さんと言ったね?」
「えぇ・・・」
45
#普通
野々さくら
750
#幼馴染
猫塚ルイ

3,370
ありあ
189
千歳は顔色を変えず、飄々とした雰囲気で受け答えをする。
「君がこの世に来る時のトリガーは八乙女くん
それは分かったんだが、あの世に帰る時の
トリガーは・・一体誰になるんだい?」
その問いに、千歳が穏やかな表情で答える。
「中学になる前に亡くなった私の父よ」
忍はゆっくりと頷いた。
「なるほど・・・」
腕を組みながら、納得したように続ける。
「親子なら、魂に刻まれた記憶を見ていなくても
魂そのものが繋がっているという解釈になるのか」
その考えを口にすると、忍は感心したように息を漏らした。
「知れば知るほどに、奥が深い話だな・・・」
焔垂は思わず笑みを浮かべる。
「さすがはMW編集長!
順応が早いぜ! そこに痺れる憧──」
「うっさい!」
茜は『言わせねーよ』と言わんばかりに、焔垂の頭を叩く。
しかし忍はもうひとつの疑問点を指摘した。
「誘拐されたはずの君が
戻って来る事が出来た理由は分かった」
そう言って一拍置くと、真剣な眼差しで信愛を見据える。
「あとひとつ、教えてくれるかい?」
信愛は小さく首を傾げる。
「あとひとつ?」
忍は静かに問いを投げかけた。
「君は何故、天縁教団に狙われたんだい?」
その瞬間、部屋の空気が再び張り詰める。
信愛は目を伏せ、小さく息を吐いた。
「それなんですけど・・・」
言葉を選ぶように沈黙した後、ゆっくりと顔を上げる。
覚悟を決めた表情で、一人ひとりを見渡した。
そして、自分が天縁教団に誘拐されてからの出来事を、静かに語り始めた。
それは天縁教団の目的が垣間見える内容だった。
コメント
1件
×××さん、第249話読了しました! 半人半霊という設定の核心が少しずつ明らかになってきて、物語の世界観がどんどん深まっていく感じが好きです。特に「魂に刻まれた記憶」と「ソウルメイト」という概念の繋がり方がとても丁寧で、作者さんの設定の作り込みが伝わってきました。 忍さんが「30年以上アヤシイ業界にいるけどこんな話は初めて」と驚く場面、逆に説得力があって良かったです。そしてラストの「なぜ信愛は狙われたのか」という問い…ここで空気が変わる感じがゾクッとしました。 千歳のお父さんがトリガーになっている件も、親子の絆が感じられてじんわり。続き、すごく気になります!