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月明かりがほんのりと照らすホテルの一室。カーテンの隙間から漏れる夜の静けさの中、シーツの上に絡まるふたりの熱がじわじわと広がっていた。
「ねぇ……ここどう?」
目黒の低く甘い声が耳元に落ちる。
そのたびに俺はびくんと身体を震わせ、手がシーツをきゅっと掴む。
「……っ、めぐろ……っ」
「ここは……? 気持ちいい?」
また、問う声。
さっきからずっと聞いてくる。
問いかけられるたびに、意識がそっちに引っ張られて、頭の中が真っ白になる。
「きも……ちい、から……っ、も、聞かないで……っ」
答える声も上ずって、腰が勝手に動いてしまう。
快感を逃がすように、目黒の身体に擦り寄るようにして。
「ん〜……なんで?」
目黒の声は優しくて、少しだけ意地悪で。
触れる手つきも、押し当ててくる腰の動きも、全部俺を追い詰めるように絶妙で。
「俺、岩本くんのこともっと知りたいのに……岩本くんの事もっと気持ちよくさせてあげたいし」
そんなこと言われたら、もうどうしようもなくて。
「めぐろ……だまって……っ、お願い……」
「やだ。岩本くんの声、もっと聞かせて?」
甘く囁かれ、熱を持った瞳に見つめられながら、俺は逃げ場を失ったようにまた腰を揺らす。
「きもちい……っ、きもちいからっ……もう……っ」
快感が波のように押し寄せてくる。
目黒の優しい執着に、身体の奥までとろけていく感覚。
愛されているって、こんなに熱くて、どうしようもないんだ。
その夜、何度も「気持ちいい?」と聞いてくる目黒と、答えながら腰を震わせる俺の甘い時間は、朝が来るまで続いた――。
しんと静まり返った空間の中で、シーツの擦れる音と、湿った吐息が交じり合う。