テラーノベル
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プロローグ
その日の空は青かった。
いや、正確には青かったような気もするし、もしかしたら少し白っぽかったかもしれない。だが人類の歴史を振り返れば、空が青かった日など数え切れないほど存在するので、この空の色について深く考える必要はないだろう。
さて、空の話をしたので次は雲の話をしよう。
雲は空に浮かぶものである。
これは重要な情報のように思えるが、実際には全く重要ではない。なぜならこの物語で雲が意思を持って襲ってくることもなければ、雲が伏線になることもなく、雲が主人公の祖先だったという驚愕の事実も存在しないからだ。
一方その頃、世界のどこかでは誰かが靴紐を結んでいた。
その人物はこの物語に登場しない。
さらに別の場所では、誰かが冷蔵庫を開けていた。
その人物も登場しない。
さらに別の場所では、ペンギンが転んでいた可能性もある。
確認する手段はない。
そして仮に本当に転んでいたとしても、本編には一切関係しない。
ところで皆さんは鉛筆を使ったことがあるだろうか。
鉛筆は木と芯でできている。
これは小学校低学年レベルの知識である。
しかし作者は今、文字数を稼ぎたいので説明を続ける。
鉛筆には長いものも短いものもある。
短い鉛筆は長い鉛筆より短い。
これは非常に画期的な発見である。
ノーベル賞がもらえるかもしれない。
もらえないかもしれない。
たぶんもらえない。
むしろ絶対にもらえない。
だが希望を捨ててはいけない。
さて、希望といえば人類である。
なぜ人類なのかは作者にも分からない。
そして作者が分からないことを読者が分かるはずもない。
だが読者の中には分かる人がいるかもしれない。
その場合は作者に教えてほしい。
ここで物語の主人公について説明しよう。
主人公は存在する。
年齢もある。
身長もある。
体重もある。
好きな食べ物も嫌いな食べ物もある。
しかし今のところ何一つ公開する予定はない。
なぜなら作者がまだ決めていないからである。
しかし安心してほしい。
このあと主人公は登場する。
たぶん。
もしかしたら登場しない。
だがそれでは困るので登場することにしよう。
さて、ここまで長々と語ってきたが、読者の中には「そろそろ本編が始まるのではないか」と期待している人もいるだろう。
残念ながらまだ始まらない。
なぜなら次に作者はコンビニのおにぎりについて語りたいからである。
おにぎりは三角形のものが多い。
丸いものもある。
俵型もある。
しかしこの情報も物語とは関係ない。
むしろおにぎりそのものが登場しない可能性すらある。
そしてここまで読んだ読者の貴重な時間も戻ってこない。
だが安心してほしい。
この文章にはちゃんとオチがある。
それでは発表しよう。
空の話も、雲の話も、靴紐の話も、冷蔵庫の話も、ペンギンの話も、鉛筆の話も、希望の話も、主人公の話も、おにぎりの話も――
今回はその話と全く無関係である。
⸻
問題:このプロローグで一番無駄だった記述はどれか。
A. 雲の説明
B. ペンギンが転んだかもしれない話
36
ルナ
175
#安室透
みずねこ@金欠気味(笑)
243
C. 鉛筆の長さの説明
D. 主人公の説明
正解:全部無駄だが、特にB。
コメント
2件
???