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#異世界転移
花月夜れん
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設楽理沙
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耀聖(ようせい)
269
耀聖(ようせい)
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「睦月君、ほんとうに……なにもかも、ありがとう」
「やだなあ、先生。僕は当然のことをしたまでだよ。僕は幼い頃、あなたに命を救ってもらった恩があるんだ」
「その恩だけで、私をお嫁さんにしてくれたの?」
私がそういうと、睦月君は違うよ、と首を振った。「僕は小学生のあの時から、あなたに恋をしていた。ずっと、先生のことだけ好きだった」
先生、と、はじけるような笑顔で私を呼んでくれた睦月君が。
今、大人になって、私に『好きだ』と伝えてくれている。
こんなに嬉しいことはないと思った。
「ありがとう。睦月君、すごく嬉しい……」
「僕、先生が好きで、好きで、どうしようもないくらい好きで…気持ちを打ち明けたら重いしキモいって思われるんじゃないかと思ってた。だから言えなくて……。年下のガキなんて、先生みたいな大人には相手にされないと思っていたし……自信がなかった」
「私も自信なかったよ」本音を語ってくれた睦月君に私も本音を伝えようと思った。
「あなたが素敵だから……私は釣り合わないってずっと思ってたよ。年上だからそこもコンプレックスだった。好きになってもきっと飽きられる、ただ恩義を感じているからだって……」
「先生、それは違うよ」
睦月君が私をしっかりと見つめて言ってくれた。
「僕は先生が世界でいちばん好き。あなた以上に綺麗なひとはいない」
「……ありがとう」
彼の素直な言葉が私のこころを温かくしてくれた。「私も、睦月君が好きよ」
傍にいることが当たり前だったころから、きっと、ずっと……。
「片づけ手伝うから、帰ろうか」
「うん」
思いが通じ合った今、これからの私たちはどうなるのかな……?
一緒に片づけを終え、二人で手を繋いで家までの道のりを歩いた。夜ご飯は食べていないけれど、なんとなく、そういうことを聞ける雰囲気じゃなかった。
だいぶ住み慣れた玄関に足を踏み入れた途端、睦月君に抱き寄せられた。
「先生、明日一緒に婚姻届け出しに行こう」
「うん」
私も彼の背中に回した手に力を込めた。
「婚姻届けのことは、僕だけの気持ちを一方的に押し付けたくないからって、強引な手段を選んでしまってごめん。一緒に出したかったんだ。でも、待っていてよかった。先生が僕のお嫁さんにしてほしいなんて、嬉しいことを言ってくれたことをこの耳で聞けたから。もし結婚してたら聞けなかった言葉だよね」
「もう…」
甘い雰囲気が私たちを包む。
「先生」
「なあに?」
「今日こそ先生を僕のものにしたい。いい?」
「ダメって言うと思う?」
「――思わない」
ぐっと後頭部を引き寄せられ、深い口づけをされた。熱いキス。これだけで蕩けてしまいそう……。
コメント
1件
うわあ、ついに2人の気持ちが通じ合った……!読んでてこっちまでじーんときたわ。お互いに「自信なかった」って本音をちゃんと伝え合えたのがよかったし、「婚姻届け出しに行こう」って即決するところに睦月くんの本気度がにじんでて最高だった。甘い雰囲気に包まれて終わるところも良き。なんかあったかい気持ちになれたわ。素敵な話をありがとう!