テラーノベル
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蓮の荷物と洗濯物
冷蔵庫の中の食材
それらを後部座席に積み込んで
夜のお出かけが嬉しいのか、テンションMAXの可愛いモコちゃんはキャリーケースの中でクルクル回ってる。
いやもうね、ホントに可愛いんだ。
そんなモコちゃんが収まったキャリーケースはシートベルトでしっかり固定して、俺は助手席へ乗り込む。
「じゃ、出発します」
「ハイ、よろしくお願いします」
何故か敬語。
顔を見合わせて、クスクス笑って、いざ出発。
行先はもちろん、俺ん家。
地下の駐車場から出る時、蓮は何度も左右を確認した。
「そこまで警戒しなくても……流石にもう夜だし、アッチも襲ってきたりしないんじゃね?こっちは車だし、2人で居るんだし」
「夜だからこそ警戒しとかないとだよ、佐久間くん。闇に紛れた方が襲撃し易いじゃない」
「まあ、そうだけど……」
それなら最初から、闇に紛れた方が良かったんじゃね?とは思う。
こんなに警戒されてたら、襲いにくいじゃん?
「それに、2人纏めてどうにか出来るなら、向こうにとっては好都合なんじゃないかな。……とにかく、相手は異常者なんだから。何が起きるか分かんないよ」
「ん……」
でも、なんか
なんかさぁ……
蓮に、すごく申し訳なくって。
いつもは誰にでも優しい蓮を、ピリピリさせてること。
仕事が忙しくて疲れてるはずなのに、俺の世話までさせちゃうこと。
こんなことにさえならなければ。
蓮の手を煩わせることもなかったのに。
「なんか……ごめんな」
ぽつりと呟くと、蓮が前を見つめたまま俺の髪をくしゃくしゃ撫でた。
「佐久間くんが謝る必要なんてない」
「でもさぁ……プライベートの時間も、俺と一緒に居ることになっちゃってさ。全然休まらねぇだろ?だから、ごめ───」
「……佐久間くん」
蓮のマンションを出て数分。
突然、通りかかったコンビニの駐車場へ車を滑り込ませる。
「蓮……?」
目を丸くしている俺の頬を、蓮の長い指がムギュゥ、と摘んだ。
「むひゃっ」
「頼むから謝らないでよ。この状況で不謹慎かもしれないけど……俺はむしろ、嬉しいんだから」
「嬉しい……?」
「うん。佐久間くんはさ、メンバーみんなから大切にされてるじゃない?まあ、それは俺も同じだとは思うけど……」
「だと思う、じゃなくて、蓮も大事にしてるよ?」
俺がそう返すと、蓮が嬉しそうに笑って頷いた。
「ん。……だからさ。そんな佐久間くんを、みんなから託されたことが嬉しい。それだけメンバーが俺を信頼してくれてるってことだから」
「それを言うなら……俺もだな。護られてるだけじゃなくって、蓮を護れってことだもんね」
「うん。……お互いそういう気持ちで居ればいいんだよ」
「……分かった!もう言わない!」
「そうしてください。……あと、あれだ。面倒みてもらうって言うなら、俺の方が佐久間くんのお世話になることが多いと思う」
「え?なんでぇ?」
「……俺の部屋、見たでしょ?」
そう言って、後部座席を振り返る蓮。
……そうでした。
「お世話しまーす」
「……よろしくお願いします」
同時にブハッと吹き出すと、モコちゃんもなんだか楽しそうに『アンッ』と鳴いた。
それが可愛いやら面白いやらで、笑いが止まらなくなる。
そっか……そうだよな。
不謹慎だって言われても
この際、楽しんじゃえばいいんだ。
俺は蓮の腕をポンポン叩いて、小首を傾げた。
「せっかくコンビニ入ったし、デザートとか買ってく?」
「いいねぇ。アイス食べたいなぁ」
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「あっ、俺も〜!ファミリーパック買っちゃう?」
「ちょっとお高いのにしちゃう?」
「いいじゃんいいじゃん〜!」
あはは、なんかめちゃくちゃ楽しくなってきた!
「よし、それじゃ買いに行こ。モコ、ちょっとだけ待っててね?すぐ戻ってくるから」
「アンッ♡」
「ねーえー……ちゃんと返事するの、ホンットお利口さん過ぎない?」
「でしょ?うちの子天才なんだよね……」
「フハッ、親バカ〜」
ハットを目深に被り、マスクをして外へ。
エンジンを切った車内に長時間モコちゃんだけにするのは良くないからと、さっさとコンビニに入る。
「飲み物は……晴れ風と午後ティー、ミネラルウォーターに炭酸水ならあるよ!」
「今、メンバー愛をひしひし感じたんだけど」
それを言うなら目黒愛なんだけど。
ま、他のメンバーがCMしたりアンバサダー勤めたりしてる物は大概家に揃ってるので、何も言うまい。
「じゃ、飲み物はいらないかな。アイスと……」
ちらり、と蓮が日用雑貨の棚へ目を向けた。
「なんか欲しいもんあんの?日用品なら家に大体なんでも揃ってるよ?」
「あー……ええと…………ううん、大丈夫。使うこと、ないから」
「……???何を?」
首を傾げる俺の背中をポンポンして、蓮が苦笑を浮かべる。
なんでもないよ、と言うけれど……なんとなく、引っかかった。
でもまあ、ツッコんで聞くこともないか。
そんなことより早く買い物済ませて、モコちゃんのとこに戻んないと!
ちょっとお高いアイスのファミリーパックと、念の為に飲み物も買い足して大急ぎで車へ戻る。
やっぱり蓮は辺りを警戒してたから、俺も少しだけ意識することにした。
何もないに越したことはないけど、何かあった時にちゃんと蓮を護れるようにね。
まあ……多分、何もさせてもらえない気はするけどさ。
ちょっとでも素早く動こうものなら、『絶対安静!』って口酸っぱく言われるんだもん。
……じゃあ蓮のことは誰が護んの?って感じだよなぁ。
きっと俺、どんだけ止められても絶対素早く動くよ?
BANG!!のMVみたいにさ、めちゃくちゃ戦うかんね。
なんて、心の中で闘志メラメラ燃やしつつ、車に乗ったらモコちゃんにメロメロなわけですよ〜
「モコちゃん、ただいま〜」
「アンッ♡」
「かわいい〜〜!!蓮、早く帰ろ!早く!!モコちゃんなでなでしたい!」
「フハッ……はいはい」
「ハイは1回!」
「はぁい」
クスクス笑いながら、蓮がゆっくりとアクセルを踏み込む。
その時、ふと感じた違和感。
違和感、というか───
視線
「え……」
慌てて窓の外を見るけれど、その先には誰も居なくて。
「佐久間くん?どうした?」
「……いや…………ううん、なんでもない」
(まさか、ね)
きっと、気のせいだ。
ピリピリしてるせいで、変に感じただけだろう。
蓮だって何も感じなかったみたいだしさ。
そう思いながら、蓮の方へ顔を向けた。
「そうだ、蓮!米、米炊かなきゃ!」
「うん?あー……そうだね、しょうが焼きには白米が必須だ」
「ねー?楽しみだなー、蓮のしょうが焼き〜!」
「あの、あんまりハードル上げないでね?普通のしょうが焼きしか作れないからね?」
「何言ってんの!俺は普通のも作れないよ!」
「いやそれ、自慢げに言うことじゃないからね?」
「えっへん!」
「何それ……可愛いなぁ」
「あっ、またかわいいって言ったぁ」
そう返せば、また蓮が大爆笑する。
モコちゃんも楽しそうにキャンキャン鳴いて。
俺も可笑しくなって、笑った。
さっき感じたかすかな違和感のことは、もうすっかり頭から吹き飛んでいた。
*****
ツッコんで聞いてあげて〜〜〜
アナタにツッコむためのものですよ〜〜〜🫢
って思ったり思わなかったり(下世話)
ここではセンシティブ入れないつもりなんですけど気づいたらすぐうちの🖤🩷すぐにスケベしようとするので……
そうなったらすぐさまフォロワーさん限定に切り替えます😂
コメント
1件
第6話、読み終わりました〜! 蓮くんが「みんなから託されたのが嬉しい」って言ったところ、すごくグッときました……。お互いに「護る」って気持ちでいるのが、二人の関係性をちゃんと見せてくれてて、ほっこりしました。 モコちゃんの可愛さも相変わらずで、アイス買いにコンビニ寄る流れも自然でいいなあと。 でも最後の“視線”の違和感……気になる……! 続き、早く読みたいです!