最近の元貴はやけに上機嫌だ。
今なんて鼻歌を歌いながら、紙に歌詞を書き連ねてる。
俺が、「なにかいいことあった?」と聞くと、
元貴はふふんといった表情で、「別に〜?」とはぐらかす。
胸がザワザワする。何か嫌な予感がする。
こういう時の予感は当たるんだ。
そのやり取りの2週間ほど後の事だった。
元貴が彼女を連れてきたのは。
「若井、○○さん。前に音楽番組で一緒になったよね?」
「俺たち、付き合うことになったんだ。もちろん周りには秘密だけど、メンバーに隠し事したくないし、若井には1番に報告したくて。」
元貴が連れてきた女の子は、今人気のアイドルグループの子で、何回か音楽番組で共演した事があった。
黒くて長い髪、くるんとした睫毛に、黒目の大きい瞳、小柄で華奢で、ふわふわとした雰囲気で、いかにも可愛い女の子という感じだ。
____薄々は気づいていた。仕事が終わった後、身支度を整えて一足先に帰ったり、スマホをみて幸せそうに誰かとやり取りしてたり。
でもいざ現実を目の当たりにすると、頭を殴られたような衝撃で、元貴の言ってることや、彼女さんが俺に挨拶してるのが全然頭に入ってこない。
俺は取り繕った笑顔で、
「まじかよ!!いつからそういう仲になってたんだよ!いいことじゃん。幸せにな。」と言って、その場を後にした。
やばい。誰もすれ違うな、誰も俺を見るな。
自然と目頭が熱くなり、零れそうになる涙を必死で抑える。
急いでトイレの個室に駆け込み、声を抑えて泣いた。
❤️さんの彼女のモデルは特にいません!
私が可愛いと思う女性の特徴をあげてみました☺️
さて💙さんどうなっちゃうのか…。
コメント
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わぁぁ!そういう展開なんだ! 若井さん切なぁ…