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「矛盾してんじゃん。だけど、なんか切ないね・・」
あなたにはそう聞こえるんだろうね。
でもオレは今あなたとこんなに近い距離で一緒に過ごせてるのだけでも奇跡みたいなモノだから。
「それはお互いさま」
「え?」
「だって恋愛の面倒はしたくないけど、ドキドキだけ感じたいって言ったのそっちでしょ?」
あなたはオレと違って恋愛自体に面倒だと思ってしまっているから。
「楽な方に逃げて楽しいコトだけ味わいたいって思うのはお互いさまでしょ。お互いそれが一緒だからこの関係は成り立ってる。違う?」
だから今はあなたと同じだと思わせるようなことしか言えないけど。
オレはあなたとどんなカタチでも繋がれるなら、どんな関係でも構わない。
「そんなに前の彼引きずってるの?」
やっぱり前の男の存在が引っかかる。
そのせいで彼女は恋愛自体に後ろ向きになってしまった。
だけど、そんな彼女だから、今オレは近づけていて、この関係も保てているのかもしれない。
もしそうじゃなければオレが入る隙間なんてなかったかもしれない。
「本気になってきっともう恋愛で傷付きたくないんだろね。それなら一人でいる方が楽だし、こんな風にドキドキだけ味わいたいって思っちゃうのかも」
だから、彼女のこの言葉に嬉しくもなり切なくもなる。
彼女のそんな気持ちをオレが変えたい。
その傷をオレが拭ってあげたい。
一人でいるよりオレといることの方が幸せだっていつか思わせたい。
「そっちも切ないじゃん」
「確かに」
彼女はそんなオレの言葉に笑って納得したように答える。
「ならさ。・・・オレ好きになってみる?」
そして、結局オレはもうこれ以上我慢出来なくて、彼女に駆け引きしてみる。
オレにその気があるのか、どうなのか。
今確実に目の前の彼女の目に映っているのはオレだけで。
そしてオレもずっとこの目にはあなたしか映らなくて。
「本気で想ってる人いるくせに」
それはあなただから。
だからオレはあなたに好きになってほしい。
「だからだよ。ここで二人の間で何か始まればオレたち変われる気しない?」
きっとあなたにはオレをもっと意識させるきっかけが必要。
あなたさえその気になってくれたら、きっとオレたち変われるはずだから。
「私だけ一人好きになっても意味ないでしょ。また傷つくのは懲り懲り」
それはこっちの台詞。
オレだけ好きなのはもうそろそろ卒業させてほしいんだけど?
あなたを傷つけることは絶対にしないって約束するから。
「・・・オレも、好きになるって言ったら?」
ホントはこんなにもずっとあなたへの想いが溢れているのに。
あなたには、まだそんな風にしか言えないのがもどかしい。
「好きになるって言って好きになれるモノじゃないでしょ。お互いに」
「どうかな。実際試してみなきゃわからないでしょ。恋愛だって」
だから試してみたいんだよ。
そうやって意識して好きになろうとすれば、ホントにオレのことを好きになってくれるかもしれないでしょ?
そうすればずっとオレを意識してくれるでしょ?
「好きって自然になってるモノじゃない?」
「ならオレのこと自然に好きにならせるしかないってことか」
そうだね。
オレがあなたを自然に好きになって、だけど運命を感じたように。
あなたにも無理やりじゃなく、自然にちゃんとオレを好きになってもらいたいから。
「なんでそういう話になってんのよ・・・」
「ドキドキだけだと物足りないと思わない? これからお互いを好きにさせることにすればさ。お互い楽しめると思わない?」
オレはあなたを全力で振り向かせるだけ。
「オレは報われない恋愛をしてる。そっちも恋愛には絶望している。だけど、お互いこのままだと寂しいと思わない?」
「それは・・・」
「お互い恋愛に前向きになれるように、楽しめる恋愛を始めるのはどう?」
オレとなら絶対楽しいと思わせるから。
「それで好きになれなければお互い元の場所に戻る。でも、どうせドキドキさせ合う関係ならさ、お互い好きにさせ合う形でもいいんじゃない?」
なんて、元に戻させたりしないけど。
あなたがオレを好きになってくれるまで、ずっとオレは諦めるつもりはないから。
「本気の相手、忘れられるの・・?」
忘れられるも何も、目の前にいる。
「透子がその気にさせてくれたら」
あなたがオレの気持ちさえ受け止めてくれるなら。