テラーノベル
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俺や武は今までの事件で分かったことを沙和子に話した。以前に武とDoDoで話をした内容や俺が気づいた物語の内容や疑わしい人物等だ。
「それで今回の事件をまとめてきたんだが…。」
「2人とも大丈夫か?」
「大丈夫です!」
沙和子が答え
「ああ……。頼む、武」
頷きながら俺も答えた。
「辛くなったら言ってくれ」
武がノートにまとめてくれたものを読み上げる。
「scp-544-jp-sp。 A Balloon Countryの中でいくつかのカメラが設置され、ともが来たのを確認。 遠隔操作でアナウンスを流した。 迷子センターのテレビに大きくfinの文字、
小さく監督・脚本 Asmodeusと表示。 2人は大量の虫が入った壺に体を細かく解体された状態で入れられていた。 他の共通点は右手にマイクが握られていたことや首にKodokuと掘られていたこと……」
「……………」
みんな黙っている。
マイクと首に彫られた文字のことは俺も沙和子が知らなかった情報だ。
まるで2人がそのマイクを使ってアナウンスしてたかのように……。
今思えば、あの声のエフェクトもまるで男と女の声を同時に流して編集したようなものだった。
それにKodokuってもしかして……。
「俺は……このSCPってのがよくわからなくてな。 調べたんだが、何が書いてあるか俺にはよく分からん。 なんだこれは?」
「俺は少しだけ知ってる」
一時期興味があって、調べたことがあった。
「ほんとか! とも!」
「SCP 財団という共同創作コミュニティサイトのことだよ。」
「コミュニティサイト?」
「そう。架空の組織で収容、管理されている設定で怪物や怪奇現象等が紹介されているサイトだよ。」
「なるほど……。この番号は?」
「全て番号で管理されているんだ。 ちなみにjpが付くのは日本の支部で管理されている設定」
「このspっていうのは?」
「spは多分……犯人が付けたオリジナルみたいなものじゃないかな。 そんな設定聞いたことないし……」
「ふざけてんな」
「ああ……本当に……。」
沙和子が携帯で調べている。
「あった! これじゃない? SCP-544-jp、通称 孤独な放送室」
「どんな内容?」
俺は聞いた。
量が多すぎて、全ては俺も知らない。
各国支部のも合わせる莫大な量がある。
「ざっくり説明すると、廃業になったデパートを取り壊したんだって。 でも取り壊した筈のデパートが元に戻っていたから、財団は職員に調査を任せるけど……。 3分ごとに『お知らせです。Aさん、Bさんがお待ちでした。』とアナウンスが流れるみたい。 Aはデパートに入った人の名前、BはAの知人、恋人、家族とランダム。 Aは名前が呼ばれたBから忘れ去られてしまう……」
沙和子が携帯を見ながら説明する。
「…… 友和、これって」
「俺の名前はBのところで名前が呼ばれて、Aの部分は殺された人たち…… 物語でもあるけど、俺に殺された人を忘れろって言ってるみたいだ……。 まるで父さんや母さんが言ったみたいに」
それで2人にマイクを……。
「……」
沙和子が黙った。
あまりの内容に絶句しているのだろう。
「あと、何故虫とかが入った壺の中に入れられていたかだ……。」
武が腕組みして考える。
2人の首にKodokuの文字……。
俺は1つ心当たりがあった。
「ノート借りるよ」
「おう」
俺は武のノートに文字を書きながら
「首に書かれたKodokuってこのことだと思う。 虫三つと皿を組み合わせた漢字と毒で蠱毒。 よくフィクション作品であるんだけど、壺に入れた虫達を戦わせて最後に生き残った一匹で呪いを作るんだ」
「犯人は頭腐ってんな。 虫と人間を戦わせたって感じか?」
「だと思う……」
「……酷い。」
沙和子がつぶやく。
「俺が他に気になったのは髑髏の模様が入った羽根ってあるけど、これが何を意味してるのかがわからない」
俺は携帯で調べてみたが、どれも髑髏のタトゥーやアクセサリーしかでない。
「この暴食って何か意味があるんじゃないのか? わざわざ暴食なんて言葉使うか? 本来食らうとか使うと思うんだけどな」
「確かにそう言われてみれば……」
武にそう言われて俺は横に暴食を付け加える。
1番上にX百科事典でベルゼブブと出た。
それを開くと髑髏模様の羽根を持つ大きな蝿の絵が出てきた。
「これだ! ベルゼブブ、ヘブライ語で蝿の王を意味する。 サタンと同格に扱われる大悪魔。 7つの大罪 暴食を司る……」
7つの大罪……。
「また数字… でも今までの流れだと6だと思ったけど……」
少し静かになった後
「俺よくわかんねぇけど、その7つの大罪にも順番とかあるんじゃねぇの? もしかしてその暴食は6番目に位置してるとか……。」
武が言った。
確かにその通りだ。
「調べてみる。」
俺はそのまま7つの大罪のページを開く。
俺はそのページを開いて読んでいく。
最初の罪は8つだったが、7つになった。
暴食が6つ目になっていることが多い……。
ダンテの神曲でも出てきているようだ。
罪の重い順番だと、
傲慢、嫉妬、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲……。
「6番目だ……」
「そしたらともが言ってたとおり、10から数字が減っててることになるな。 ってことはまた事件が起きるのか?」
「わからない……。 でも、あそこにあったテレビにfinって書いてあったんだ。 映画とかでは終わりを意味するんだけど……」
「余計わからなくなったな。 これで終わりなのか、それともそれが何かを示してるのか……」
武の言う通りだと思う。
普通に捉えるとこれで終わりを意味すると思う。
だが、ここまでする犯人のことだからもっと別の理由があるのかもしれない。
俺は開いたままの7つの大罪のページを見る。
これは……。
「この7つの大罪で7番目に位置してる色欲なんだけど……。 それを司る悪魔はアスモデウスっていう名前みたいだ。 確かテレビの画面に監督、脚本がアスモデウスって……。 何か悪魔と繋がりがあるのかな……」
「 わかんねーな。 犯人は悪魔崇拝者なのか、それとも別の意味でも込められているのか……。 何かこう……事件を読み解くとパズルみたいに何か答えが見えてきたりとか……」
武がそう言いながらノートを見つめる。
何か悪魔と繋がりがないかと。
「ともは何かわからないか? パズルとか得意じゃなかったか?」
俺も考えたが、お手上げ状態だ。
わかるのは10から数字が下がってることぐらいだ。
「ごめん。わからないや。」
「そうか……」
再び武が腕組みしながら考える
しばらくして
「わかったーー!」
「びっくりした!」
沙和子が驚く。
「何がわかったの?」
俺が聞くと武が説明した。
「いいか? まずノータリンの結婚式は誓いのキス、運命 最終楽章は指揮棒、数学者は電卓、SCPなんとかはマイク…… この最初の二文字を抜くとちか、しき、でん、マイとあのキャバ嬢達の源氏名になるんだ!」
「…………。 学の事件は?」
「金玉潰されてたんだろ? 玉の字抜いてたまもだ!」
「…………」
俺と沙和子が黙る。
「これってあれだろ?ダイイングメッセージってやつ。 俺ってすげぇ。」
「………武。 これって犯人が持たせたり、潰したものだと思うだけど……。 ダイイングメッセージは殺された側が残すものだと思う。 しかもキャバ嬢達に今までの被害者全員の動機が無いと思うけど……」
「なっ……」
武が固まり、そのあと落胆した。
「クソーー。いい線いってるとおもったんだがなー」
「で、でもあながち間違ってないんじゃないか? 映画とかでわざと自分の手かがりを残す犯人もいるし……」
武がせっかく考えてくれてたんだ。
ここはフォローしよう。
「でも一貫性無いし、ただ当てはめてみたって感じが……」
沙和子が余計な一言を言った。
「なっ……」
武が再び落ち込んでしまった。
「と、とりあえず他の話に移ろうか。 もしかしたら特に意味なんて無いのかもしれないし……」
「そうだな!」
武が立ち直る。
俺らは疑わしい人物について話合うことにした。
「疑わしい人物は特に三重、部長、大神だけど父さんや母さんと接点あるとしたら、部長かな。」
「お母さんの学友でしょ?」
「そう。 仲が良かったみたいで一度告白されてるって、母さんから聞いてる」
「そうなのか!」
武が驚いている。
「ああ。 でも友達としか見てなかったし、その時にはもう父さんのことが気になってたみたいだから、振ったらしい。 それでも友達として仲良くしてくれたって話してた」
心が痛くなった。
たわいも無い母さんの惚気話。
父さんとの出会いを楽しそうに語っていた母さんの顔が頭に浮かんだ。
「それを実は根に持っていたとしたら動機ありだな」
「そうだな…。」
「たぬきに関しては友和に突っかかってたな。 綾葉と付き合えたことに嫉妬してたって言うこともありうる」
「最後あんな目にあってるのにか?」
「あいつに関しては終始利用されただけだからな。 羨ましがってともの周りをめちゃくちゃにしてやろうとか思いそうだろ?」
「確かに性格悪そうだもんな」
「だろ?」
「ここちゃんに関しては俺はわからないな……」
武が考え込み、しばらくして
「さわちゃんは? 綾葉の葬式の時、仲良さそうに話してただろ?」
沙和子に聞く。
「実は大神先輩は小学校の時、ソフトボールチームのOBだったの。」
大神はソフトボールやっていたのか。
今じゃ想像できないな。
小学校から一緒って言っても全然話してなかったし……。
正直当時の外見もあまり覚えてない。
「何度か練習に付き合ってくれたの。 今でも仲良くて家にも何度かおじゃましてる」
「そうだったのか……。知らなかった」
俺って沙和子のこと何も知らないんだな。
「うん。 それで……実は……」
沙和子が言いづらそうだ。
「…… 大神先輩のお父さん亡くなってるの。 先輩が高校生ぐらいの時に。 過労で……」
「過労? 気の毒な話だと思うが、ともの家族に何が関係してるんだ?」
「ご飯食べに行ったときに聞いたの。 先輩その時お酒飲んでて、話をしてくれた。 先輩のお父さんが働いてた会社って不動産会社だったんだって。」
「え……」
まさか……。
「同期の人が先に部長になったから悔しくて休みの日も仕事してて、ずっと残業していたら倒れちゃったんだって……。 気になって、会社名聞いたら……。 如月不動産…… お父さんと同じだった……」
「マジか…… その同期がともの親父さんと知っていて、母さんも含めて復讐をしたってことか?」
「大神がそれで……」
俺は驚きを隠せなかった。
父さんの同期で亡くなった人がいたこと。
その娘が俺の同級生でもしかしたら今までの犯人かもしれないなんて……。
「も、もちろんそれで先輩が犯人って決まったわけじゃないよ。 でも気になって……」
「決まりだな」
武が立ち上がる。
「何が?」
「その3人を探ってみよう。」
「大丈夫なのか? それって?」
「まあ危ないかもしれねぇが……。 物的証拠も無ぇし、犯人が残したよくわからん物語や事件現場のことを考えても仕方ねぇだろ?」
「ま、まぁ確かに…… でも沙和子が……」
沙和子が心配だ。
「大丈夫!私にも任せてほしい!」
「ほんとか!さわ。」
「 とりあえず先輩に連絡取ってみるよ。 適当に飼ってる猫を久々に見に行ってもいいですかって」
「よし! 俺は今日たぬきちのところ行ってくる! ギター見にきたってな。 夕方頃なら大丈夫だろ?」
「…… もう少し早めに出て行ったほうがいいかもしれない」
「え? そうか?」
「うん」
到着が夜遅くなるか到着しない可能性がある。
「俺は……どうしよう。 部長の家も電話番号も知らないんだよな……」
「え! 同じ会社だったのに?」
沙和子が驚く。
「ほとんど部長室か外出してたから、あまり話してないんだ。 何をしてるかもわからないし……。 俺がパワハラにあってるの見てもスルーだった」
酷いときはカツラメーカーのチラシを見ながら逃げたぐらいだ。
「そうだ! そしたらその部長室に忍び込むってのはどうだ?」
「え? 本気で言ってる?」
「本気さ! 警察が見逃してるところあるかもしれないだろ?」
「そんなことあり得るのか? 警察が見逃してるなんて……。」
にわかに信じがたいが……。
「あいつらだって人間だろ? 何か気づけなかったことだってあるかもしれねぇし」
「ま、まあ確かに」
幸いなことに会社の鍵は持ったままだからな。
「あっ!大神先輩17時ぐらいまでなら今日きていいよって連絡あった」
「よし!そしたらまた夜集まって話そうぜ!」
「おけです!」
「わかった……」
俺は何か手掛かり見つけられるだろうか…。
不安だ。
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鬼霧宗作
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みおん
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コメント
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第52話読んだよ〜!情報共有回、めっちゃ深掘りされてて頭こんがらがったけど面白かった…!😳✨ SCP-544-jpと孤独な放送室の話、確かにそれって友和くんの状況に重なるし、蠱毒の文字もヤバすぎ…。特に大神先輩の父親が過労で亡くなってて、その会社が如月不動産だったって展開にゾッとしたよ…!沙和子ちゃんが気づいちゃったの辛いね😭 武くんの無茶な推理には笑ったけど、部長室に忍び込むって展開も怖いし、3人がそれぞれ調査するのハラハラする…!次回も待ってるよ〜!!