テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#リゼロ
すず
144
33
第71話『黒司の決断』
黒龍城。
地下最深部。
李丙。
なおきり。
じゃぱぱ。
シヴァ。
蒼龍。
五人は静かに向かい合っていた。
李丙は一冊の古い記録を机へ置く。
「第21代黒龍王。」
「黒犀陛下。」
「その方は戦よりも対話を重んじる王でした。」
蒼龍も頷く。
「祖父は民から慕われていました。」
李丙はページをめくる。
「その後を継いだのが。」
「第22代黒龍王・黒司陛下です。」
なおきりが静かに尋ねる。
「黒司は最初から今みたいな王だったのか。」
李丙は首を横に振る。
「いいえ。」
「即位された頃の陛下は、黒犀陛下によく似た王でした。」
「民を守ることを第一に考え、不要な戦を避ける方でした。」
じゃぱぱが腕を組む。
「じゃあ何で変わった。」
李丙は静かに息をつく。
「十年前。」
「黒司陛下は歴代の王だけが閲覧を許された記録庫を調査されました。」
「その日を境に、陛下は中華統一ではなく、中華全体を武力で支配する道を選ばれました。」
シヴァが尋ねる。
「その記録には何が書かれていたの?」
李丙はゆっくりと首を振る。
「私も全ては知りません。」
「ですが。」
「陛下は私と蒼厳だけに、こう告げられました。」
地下に静寂が流れる。
李丙は黒司の言葉を思い返すように目を閉じた。
「『このままでは中華は必ず大乱に陥る。』」
「『誰かが一つにまとめなければ、全ての国が滅ぶ。』」
なおきりは眉をひそめる。
「だから武力で統一しようとした……。」
李丙は頷く。
「ええ。」
「ですが、その方法が正しかったとは私も思っていません。」
蒼龍が静かに言う。
「だから私は父を止めたい。」
「黒龍国も、中華も守りたいんだ。」
その時。
地下へ新たな足音が響いた。
コツ……。
コツ……。
全員が振り返る。
そこに立っていたのは、一人の伝令だった。
「李丙総司令官!」
「ご報告します!」
「蒼厳将軍率いる全軍が黒龍城へ帰還中!」
「さらに中華連合軍も黒龍城へ進軍しています!」
李丙は静かに目を閉じた。
「……来ましたか。」
なおきりも表情を引き締める。
黒龍軍。
中華連合軍。
両軍が同じ場所へ集まろうとしている。
そして。
その中心には。
第22代黒龍王・黒司。
李丙はゆっくり立ち上がった。
「皆さん。」
「陛下にお会いしましょう。」
「全ての答えは、黒司陛下ご自身が語られるはずです。」
なおきりたちは頷く。
長かった戦いは。
ついに黒龍王との対面という、新たな局面を迎えようとしていた…。
コメント
1件
おおっと、第71話で黒司さんの過去がちらっと見えたな…!即位当初は黒犀陛下みたいに民想いの王だったのに、記録庫を見てから武力統一に舵を切ったってのが気になるわ。十年越しの因縁って感じで、「中華が大乱に陥る」ってのもただの野心じゃなさそうだし、この辺の伏線回収が楽しみすぎる🔥 そしてついに蒼厳と連合軍が黒龍城へ集結か…。李丙の「陛下にお会いしましょう」って台詞、なんか重みあるわ。次回、黒司本人との対話、じっくり読ませてもらうわ!🍙さん、この展開ヤバいっすよ!