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刻の碧律

19 - 第15話「森の影、緑の牙」

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2025年02月23日

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第15話「森の影、緑の牙」




🚀 シーン1:深緑の領域


ゼインとナヴィスは、夜の森の中を進んでいた。

ヴェール・バインドとの衝突を避けるため、一時的に街を離れたのだ。


「……こんな場所に隠れ里があるとはな」


ゼインは、周囲の巨大な木々を見上げた。

枝葉が空を覆い、月明かりを遮っている。

足元には静かに輝く青緑の苔が広がり、異世界のような雰囲気を醸し出していた。


「ここが噂の“自然党派”の領域か」


ナヴィスは碧い瞳を細め、警戒を解かない。

無造作な黒髪の隙間から、彼の表情が険しく見えた。


「ここにいる碧族は、ちょっとクセが強いらしいぞ」


「……らしいな」


ゼインは腕を組む。

自然党派——都市を捨て、フラクタルの力で森と共に生きる碧族たち。

彼らは「人間は地球を消耗品のように扱っている」と考え、独自のルールで生きているらしい。


「まぁ、荒く使ってるのは事実だよな」


ナヴィスが呟いた瞬間——


「お前たち、何の用だ?」


鋭い声が響いた。





🚀 シーン2:緑の牙


木々の間から、数人の影が姿を現した。

彼らは自然の一部のように静かに佇み、ゼインたちを睨みつける。


その中で、一際目を引く人物がいた。


長い翠色の髪を後ろで束ね、瞳は深いエメラルドグリーン。

革製の装束を身にまとい、肩には獣の毛皮がかかっている。

彼女の指先には、淡く輝く碧色の紋様が走っていた。


「お前たち、都会の碧族か?」


彼女は腕を組み、険しい視線を向けた。


「……そうだけど」


ゼインが答えた途端、


「なら、試させてもらおう」


彼女は手を翳し、空間にフラクタルの紋様を描く。


「《ヴァイン・ストライク》」


——地面から無数の蔦が伸び、ゼインたちへと襲いかかった。





🚀 シーン3:迎撃戦


「チッ……いきなりかよ!」


ゼインは即座に後方へ跳躍し、蔦の攻撃をかわす。

ナヴィスは瞬時に空間を歪め、ゼインの位置をシフトさせた。


「《フォールトシフト》」


——ゼインと敵の位置が入れ替わる。


「なっ……!」


女が驚く間に、ゼインは素早くナイフを抜き、彼女の喉元に突きつけた。


「……終わり、だな?」


ゼインの瞳が鋭く光る。

しかし、女は動じずに笑った。


「——いや、まだだ」


彼女の足元から、新たな碧色の波紋が広がる。


「《エデン・バースト》」


次の瞬間、爆発的なエネルギーがゼインを吹き飛ばした。


「——ッ!」


ゼインは背中から地面に転がる。


「……なるほど、悪くないな」


女は満足げに頷くと、ナイフを構えるゼインを見下ろした。


「お前、名前は?」


ゼインは息を整えながら、立ち上がる。


「ゼイン……碧族になったばかりの新参者だ」


彼女は少し考えた後、ニヤリと笑った。


「いいだろう。私はリオナ、自然党派の戦闘指揮官だ」


——森の中、ゼインたちは新たな勢力と出会った。

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