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ライブのリハの日。
楽屋では、メンバーたちが賑やかに談笑していた。
そんな中、照はソファに座り無表情でスマホをいじっていた。
俺はだてさんと話しながらも、ふとそんな照の様子が気になった。
翔太もそんな照が気になったのか、
「照、今日のリハ、またハードだぞ」
と冗談交じりに声をかけると、照は小さく笑った。
「分かってる。しっかりやるよ」
そのやり取りを見ながら、ふっかはホッとする。
バレないように、いつも通りの関係を続けること。
それが今の二人にできる最大の防衛策だった。
しかし、すれ違いは少しずつ増えていく。
楽屋での距離は今まで通りのはずなのに、ふとした瞬間にお互いを探してしまう。
目が合えば、無意識に逸らしてしまう。
(これって……逆にバレやすいか?)
焦る俺とは対照的に、照は冷静だった。
まるで何も変わらないかのように振る舞いながらも、ふとした瞬間に視線を送ってくる。
(バレたら終わり……でも、このままでいいのか?)
俺の中に、少しずつ焦燥感が募っていく。
「最近、なんかおかしくね?」
楽屋での談笑の最中、佐久間がぽつりと呟いた。
「何が?」
「照とふっか、変な感じしない?」
翔太やだてさんも、その言葉に耳を傾ける。
「仲がいいのは昔からだけど、なんか……不自然に距離取ってる時ない?」
何気ない佐久間の言葉に焦った俺は、適当に笑いながら「考えすぎじゃね?」と返すが、内心穏やかではなかった。
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リハーサル終わりにメンバーが次々と帰る中、俺とふっかは最後まで楽屋に残った。
「そろそろ行くか?」
軽く声をかけると、ふっかは小さく頷いた。その瞬間、楽屋の扉が勢いよく開いた。
「まだいたの?」
不意に現れたのは阿部だった。
「ふっかたち、最近二人でいること多いね?」
心臓が跳ね上がる。
「べ、別に? たまたまだろ」
「……まあ、そうかもしれないけどさ」
阿部はじっと俺たちを見つめた後、「お先」とだけ言い残し、楽屋を後にした。
ふっかと顔を見合わせ、ほっと息をつく。
「……危なかったな」
「もっと、気をつけなきゃ」
そう言いながらも、手はそっと触れ合っていた。
メンバーとの関わり方を考えるようになってから、ふっかとのすれ違いが多くなった。
——もし、ふっかがメンバーじゃなかったら。
——もし、もっと自由に気持ちを伝えられたら。
そんな”もしも”を考えてしまう自分がいることに、気づいてしまった。