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そんなこんなで、時が経ち、1973年4月。愛と鈴の協力のお陰で体力も知識も多く身に付いた。
鍛錬と勉強は地獄だった。うん。本当に。俺、頑張った。
俺は、分身の体を使って主達にアポを取って、今日、此処、日本で会うことになった。
「久しぶりに主達に会える」
随分と久しぶりに主達に会えるのが嬉しくて、らしくもなくニヤニヤしながら俺は有頂天になっていた。
「楽しむのは良いことだが、怪我や事故には気おつけろよ」
玄関で靴を履く俺に俺の鞄を持って待機している愛がそんな事を言う。
何年も一緒に居たから、愛と鈴とは親友だと堂々と言える程仲良くなった自信がある。かと言って、鍛錬が一度たりとも優しくなったことはないが。
「愛は心配性だなあ。そんなだと、恋人すらできなくなっちまうぞ。いや、好きな奴に振り向いてもらえねぇか」
何て、軽口を叩けるぐらいには仲良くなった。
「黙れ」
照れ隠しみたいに言う愛はやっぱり面白い。
「姉さんの好きな人、、、あっ!炎r ング」
「黙れ」
愛は利き手で鈴の口を塞ぎながら頬を薄紅色に染めている。
「は〜い。独、北海道の方に行くんでしょ?肌寒いかもしんないよ」
「大丈夫。俺の正装の羽織って本気であったけぇから」
「なら良いよ」
「「行ってらっしゃい」」
「いってきまーす」
愛と鈴と俺の三人で笑いながら何気ない言葉を交わす。俺は、ギザ歯を見せ付けるようにして笑いながら、大きく手を振って目的地へ向かう。
北海道に着いたのは夕方頃。まあ、昼間に家を出 たから妥当か、なんて事を考えていたら、向こうの方から分身と主達がやって来た。
「っ!独!」
「独!」
主達は花が咲いたみたいに満面の笑顔を浮かベて此方に向けて手を振る。俺も主達に最高の 笑顔を見せながら、全力で手を振り返す。
主達は此方に駆け寄ってきたかと思えば、飛び付いてきた。
「ウオッ」
勢いよく来たもんだから一瞬転けるかと思った。だが、何とか持ちこたえることができた。これも愛からの特訓のお陰だな。
「東の主、西の主、二人とも元気そうで良かった!」
「「独も!」」
ふ二人声を揃えて笑い合っている姿を見ると、涙腺が崩壊した。嬉し涙が俺の目から滝の様に流れ出て来て主達を心配させちまった。