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しかし実際にやってみると思っていたよりもずっと恥ずかしい。
尊さんに見られていると考えるだけで体が火照って羞恥に悶えるほどだ。
「っ……ふっ……んんっ……」
羞恥と快楽がない混ぜになって思考能力が低下して何も考えられない状態だ。
ただひたすら快感を求め続ける獣のようになっていた。
俺は気がつけば尊さん服の袖を掴んで、縋るように吐息を漏らしていた。
「たけるさ…っ、は、ぁ…はや、く…イきたい、です…っ」
「一人でイったらどうだ」
尊さんの意地悪な提案に思わず興奮してしまい勃起しつつも首を横に振る。
「っ……や、です……たけるさ……んが、いい……」
「嫉妬…させ、て…ごめんなさ……っ、で、も…っ、もう、限界で……っ」
「だったらちゃんと可愛く言ってみろ。俺を欲しがる犬みたいに」
「お、ねがい……たけるさん…っ、たけるしゃんの…が、いいの…っ、たけるしゃん、に……犯されたい、んっ、です…っ」
「…なら、頼み方があるよな?」
「たけるしゃんの……おっきいので、おれのこと、ぐちゃぐちゃにして、くださぃ……っ」
尊さんは俺の言葉を聞くとニヤリと笑って
「じゃ、自分で挿れてみろ。出来るな?雪白」
と命令してくる。
俺がコクりと頷くと、尊さんがズボンを下ろしてポケットからコンドームを取り出したので
用意周到な部分に驚くが、尊さんは手早くコンドームを付けたので
それを自分からアナルにあてがう。
先程よりもすんなり入ることに驚いたが今はそれどころじゃない。
早く尊さんのモノが欲しいのだ。
「……んっ♡はぁ……あっ♡」
中は熱くうねっていて、尊さんのモノを締め付けるようにして離さない。
「っ……雪白……」
耳元で囁かれて体がピクっと反応する。
それだけでも気持ちいいのに焦らすようにゆっくりと動き始めるから余計に感じてしまう。
「んあっ、あッ♡たける、さ……んッ!」
尊さんの首に腕を回して抱きつくようにして腰を動かすと徐々にスピードを上げていく。
パンッ!パァン!という肌同士がぶつかり合う音と結合部から聞こえる粘着質な音が
鼓膜を犯し、脳髄まで蕩けそうになる。
「んっ、あっ、あぁっ!」
「はぁ……雪白、気持ちいいか?」
尊さんが余裕無さそうに尋ねてくるのに、息が上がって答えられない。
すると尊さんは俺の膝裏を持ち上げて更に深く挿入してきた。
「……っ!?」
突然の行動に驚きつつも必死で応える。
「はっ……あぁっ♡ふかぁ……いっ♡」
奥まで突かれて苦しいはずなのにそれ以上に強い快感に襲われてしまう。
あまりの気持ち良さに意識が飛びそうになりそうになるが
尊さんが激しく揺さぶるせいでそれも叶わない。
「たけるさ……っ、も、おれ、イッちゃいます……っ」
限界が近いことを伝えると尊さんは俺の陰茎を握って射精を堰き止めた。
「んんっ!?」
突然のことに驚いていると尊さんは意地悪そうに微笑んでから一気に奥まで突き上げてきた。
「いっ……い゛ッ♡」
待ち望んでいた刺激を与えられて歓喜の声を上げるが
すぐに根元を強く締め付けられてしまい、解放出来ない苦しさに涙目になる。
「たけるしゃん……っ、ぃ、イきたいぃ……」
もう限界だった俺は必死に懇願したが尊さんは許してくれなかった。
それどころか更に激しく責め立てられて頭が真っ白になる。
「あっ…ぁ、あぁぁ……っ……あ゛っ……♡♡」
尊さんは俺の首筋に顔を埋めると噛み付くような勢いで歯を立ててきた。
その痛みすらも快感として受け入れてしまい
絶頂寸前まで上り詰めていくのを感じた。
「たけるしゃ……っ、も、おれ……っ」
涙と汗でぐちゃぐちゃになりながら訴えると
尊さんはラストスパートをかけるように動きを早めていった。
「…犯されたいって言ったのはお前だからな」
耳元で囁かれる言葉にコクコクと首を縦に振って答えると尊さんは優しく微笑んでから
「イけよ、恋」
と囁いてラストスパートをかけた。
「ッ、むりッ…ッ!そん、な…はやく、ひッ…あッ♡あっ♡♡イクっ!!」
それと同時に強く握り込んでいた手を緩めて射精を促すように擦りあげる。
「っ……く……」
尊さんの苦しそうな声と共に熱いものが中に注がれる感覚があり同時に俺も達してしまった。
◆◇◆◇
事後…
「はぁ……はー…っ」
身体の奥から湧き上がる熱と、心地よい疲労感が全身を支配していた。
まだじんわりと残る甘い余韻に浸りながら、俺は深く息を吐き出す。
天井を見上げると、少しだけぼやけた視界の端に尊さんの優しい顔が見えた。
俺がそれに気づくと、尊さんの大きな手が俺の頭にそっと触れ、ゆっくりと撫でてくれる。
その指先から伝わる温もりと、俺を慈しむようなその仕草に胸の奥が温かくなった。
自然と口元が緩み、俺は尊さんに向かって微笑んだ。
すると尊さんも、俺の微笑みに応えるように
ふわりと柔らかく笑い返してくれた。
さっきまでの情熱的な表情とはまるで違う
その優しい笑顔に、俺は改めて尊さんの懐の深さを感じた。
「…やり過ぎた、か」
尊さんの声には、どこか申し訳なさそうな響きがあった。
その言葉に、俺は慌てて首を横に振る。
そんなことはない、むしろ幸せだったと伝えたい一心だった。
「大丈夫……です、ちょっと疲れたけど……」
まだ少し上擦る声で、ゆっくりと息を整えながら答える。
俺の言葉を聞いても、尊さんはやはり申し訳なさそうな表情を崩さなかったが
その代わりに、俺をそっと腕の中に抱き寄せてくれた。
温かく、力強い腕が俺の身体を包み込む。
その安心感に、俺も迷わず背中に腕を回し、尊さんの広い背中を抱きしめ返した。
互いの体温がじんわりと伝わり合い、心臓の音が重なる。
この上ない幸福感が、俺たち二人を包み込んでいた。
「……あのな、雪白」
どれくらいの時間が経っただろう。
ただ抱きしめ合っているだけの静寂の中で、尊さんがふいに俺の耳元で囁いた。
その声は、いつもより少しだけ真剣な響きを帯びているように感じられた。
「はい……?」
俺が顔を上げ、尊さんの目を見つめながら聞き返す。
尊さんは一瞬、何かを躊躇うような素振りを見せた。
視線が泳ぎ、口を開きかけては閉じ、まるで好きな子に告白をする前の少年のような面持ちだった。
しかし、すぐにその瞳に強い光が宿り、覚悟を決めたようにゆっくりと口を開いた。
「…お前が俺のために頑張ってくれてたのはちゃんと伝わってる」
その唐突な言葉に、俺は驚いて目を丸くした。
「えっ?」と間の抜けた声が出てしまう。
何のことだろうと、頭の中を巡らせる俺に尊さんは少し苦笑しながら続けた。
「ケーキのことだ」
「あっ、は、はい」
言われて、ようやく俺は行為前の出来事を思い出した。
不慣れながらも一生懸命、尊さんのことを想って作ったエスプレッソショコラケーキ。
まさか今、この状況でその話が出るとは思わず
俺の頬はみるみるうちに熱を帯びていく。
「お前が俺のために作ってくれたの最高に嬉しいし、美味かった」
尊さんの言葉は、飾り気のない
真っ直ぐな感謝の気持ちが込められていた。
その言葉一つ一つが、俺の心にじんわりと染み渡る。
「あ、ありがとうございます…っ、尊さん、が喜んでくれた、なら…よかったです……」
恥ずかしさと喜びが入り混じった感情で、俺は俯きがちに呟いた。
自分の努力が報われた喜びが、胸いっぱいに広がっていく。
「…ただ、な。どうしても、お前が他の男と二人きりだったってのは妬けるんだ」
尊さんは俺の顎をそっと持ち上げ、真っ直ぐにその目を見つめてそう言った。
その瞳の奥には、確かに嫉妬の炎が揺らめいているように見えた。
その言葉に、俺は再び驚きで固まってしまう。
尊さんがそんな感情を露わにするのは初めてで、俺はただ茫然と彼を見つめることしかできなかった。
俺の反応を見て
尊さんは「意地悪して悪かったな」と、少し困ったように謝罪の言葉を口にした。
その言葉にハッと我に返り、俺は慌てて首を振る。
「い、いいんです!尊さんに嫌な思いさせちゃった俺が悪いですから……!」
俺は必死に否定した。
しかし、その一方で
尊さんが自分に嫉妬してくれたという事実に、胸の奥で温かいものが広がるのを感じていた。
「でも俺…尊さんが嫉妬してくれてるって知って、嬉しかったです…妬いちゃうの、俺だけじゃないんだって」
素直な気持ちが、ぽつりと口からこぼれ落ちた。
尊さんの独占欲が、こんなにも俺を安心させ、満たしてくれるものだとは知らなかった。
「そ、それに……あんなにドSな尊さん…初めてだったから…もっと、好きに…なっちゃいました…っ」
自分から追い打ちをかけるように、俺は顔を真っ赤にしながら
しかし真っ直ぐに尊さんの目を見て告げた。
先ほどの尊さんの強引な愛撫が脳裏に蘇り、身体の奥がゾクリと震える。
その言葉は、尊さんにとっても予想外だったのだろう。
尊さんは一瞬呆れたような表情を見せた後、すぐに堪えきれないといった様子で吹き出した。
「おいおい…」
そう言って、尊さんは楽しそうに笑ってくれた。
その屈託のない笑顔に、俺も嬉しくなって
再び尊さんの胸に強く抱きついた。
それから、互いの温もりを確かめ合うようにもう一度強く抱きついたあと
俺たちはゆっくりと身体を起こした。
まだ少し火照る身体を冷ますように、そして互いの愛を確かめ合うように
シャワーを浴びに行ったのだった。