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「ねー、あの変なやつに気ぃ取られてて気づかなかったけど扉開いてるよ?」

「……え、マジだ」


さっき一瞬「最下層が~」とか言って消えていったネームドのせいで気づかなかったが、先ほどまで俺達を分断していた扉は消え、木更津がいるところへの道が開いた。

彼は無事だろうか。無事じゃなかったらhappyがアナウンスしそうな予感がするし、多分大事には至ってないと思うが。


「木更津どこだろ?」

「手分けして探しましょう。私は容態の確認も兼ねて猫手さんと一緒に右を探しますので、衣川さんと、あとは人差さんで左の方を、残った人で辺りを探索してください」

「おっけーー」


すると、聞き覚えのあるノイズ音と共に甲高い声が聞こえる。


「あー、あー……聞こえる?僕は優しいから言っといてあげるけど、そんなことしても無駄だよ!だって木更津は今こっちで預かってるからね!」

「預かってる?”こっち”で?」

「そうそう!これから始まる第二ゲームに邪魔な存在だからね……でも木更津の中のネームドが居たでしょ?その子だけ回収したいからさ。だから始末できなくてめんどいんだよほんと」

「と、なると私達には到達できないような場所に木更津さんはいるのでしょうか」「多分そうっすよね」

「まあ君たちが来られるわけないよ。ネームドにしか話してないから、それも上位のネームドにね。tearとかには話してないよ」

「そういえばtearは死んだの?」「死んでる」「木更津とmessiahが倒したのかな」

「第二ゲームはいつからでしょう?」

「もうそろそろ始まるよー!君たちは時計ないから分からないと思うけど、今の時刻が午後の5時。明日の朝8時から始めるから、まあ寝て起きたらって感じかな?」

「休憩する時間くらいはありそうですわね。安心いたしました」「この状況で休憩するのかよ……」

「第二ゲームってどんな感じなんすか?」

「えー……それは明日のお楽しみでしょ。ちょっとネタバレするなら、3チームくらいに分かれてもらう感じ」

「今7人……いや木更津いないから6人か。2人ずつに分かれるのか?」

「さぁ?でもただ2人じゃつまんないよね。戦力にも差あるしね?」

「多少は捻りを加えてくんのか」「正直ただの協力ゲーがよかったっす……平和が一番っすから……」

「あ、この予告だけやりに来たから、もう特にいうことないんだよね。答えられる範囲なら質問していいよ」

「聞いていいのか分かんないけどさ、最下層って何?てかどこ?」

「うわ答えにくすぎない?んーでもね、ゲーム会場は段々下に行ってるの。だから第二ゲームの会場は第一ゲームの会場より下にある。つまりどんどん下に行ってる。だから、ゲームを最後まで勝ち抜いた人は最下層にいけるかな」

「全部で何ゲームあるんすかね……」「3か4。君達が第二ゲームで一杯死ぬかによる」

「最下層って何?私が知らないエロ用語じゃないよね」

「あ、そっか。猫手は乗っ取られてたから」

「乗っ取られてたって何!?私がっ?!」「そ」「うっそ……」

「ambition?って言ってたか。特徴的な話し方してたけど、そいつが最下層に行けみたいに言ってたんだよな、暗黒騎士的に悪役っぽくて痺れるぞ」「暗黒騎士的に……?」

「……ambitionが動いてたの?本当?」「頭幸せが質問する側になってる……」

「普通にしゃべってたよ」

「……そっか。ありがと。ちょっとやる事できた……かな。じゃあ、また明日」


happyは何か含みがあるように乾いた笑いを残し、モニターの画面から消えた。


「第二ゲーム……結構休む暇なく来るんすね」

「色々起きすぎてるんだよなー。一晩でまとめるの無理だろ」

「まあしかし、変に身構えず早いうちに眠るのが正しい選択のように思えますが。きっと第二ゲームも可笑しなことばかり起こるのでしょうし」

「寝れる自信無い」「それな」

「決して全く怖くなどないが寝れる気がしないぞ!!」「暗黒騎士なんだから夜強くあれよ」「そういう設定はいいだろ!」

「じゃあ、僕のモニターでなんかゲームでもするっすか?六人くらいならいけると思うっす」

「え、マジ?どういうゲーム?」「パーティーゲームっぽい感じもあれば格闘ゲームっぽい感じもあるっすけど」

「私ギャルゲーに一票」「6人でギャルゲーするのきもすぎないか?」「6Pってこと?」「死ね」「え」

「なんでもいいけどカーレースしたいよな」「それなんでもよくないでしょ」

「衣川がツッコミしなくなったら天神がするの意味わかんない」「君がさっきから普通にしゃべってるのも謎だけどね」

「おいお前らカーレース発言を流すな!人轢かせろ!事故らせろ!」「GTAなのかマリカなのかはっきりしてくださいっす!」

「GTAレースゲーじゃないから。あと着眼点ズレてるでしょ、僕過労死するんだけど?」

「つまりGTAっすか?」「んなわけないだろ!!マリカだよマーリーカ!」「了解っす!!」「不安」


結局6人でマリカしてたが、あそこまで言ってた衣川が未経験だったことを知り大爆笑しながら初心者狩りしていた。

奇跡的に衣川以外経験者だった。なんかもうかわいそうすぎる。

道中も文字に起こすのもはばかられるような下ネタと意味不明なネタで溢れかえっていて、衣川と天神の過労死が不安がられていた。

途中で天神が一切喋らなくなった。多分ストライキ。彼はめっちゃゲーム上手いので無言で衣川をボコボコにしだして同士討ちとか呼ばれてたのは流石に面白かった。

衣川がお花摘みに行ってるときは、衣川のせいで隠れていたゲーム苦手勢の小指がボコられていた。

案外指揮がゲーム上手で、普通に妨害ばかりしてきていた。なんなら能力も使っている。ガチ。

そんな楽しい時間も、明日には地獄絵図に塗り替わっていると思うと、遊んでもきっと許されるだろう。





「いった……あ?どこだここ?」


まるで第一ゲームの導入のような立ち上がり方をした俺は、目の前の景色を見て戦慄した。

そこには数多の死体で作られた山があった。

もう死体には慣れた気でいたが、やはり死体は死体だなと感じる。

死体からは血が出ておらず、死んでからかなり時間がたっているようであったが、頂上の死体のみ血が流れている。

そして注目すべきはその死体が誰なのか。残念なことに俺は存じ上げている。

150ほどある死体の、その全てが「俺」の死体だった。

そう、明らかに俺の死体だ。

全くもっておかしい。俺はまず一人しかいない。だから例え第一ゲームで死んだとて死体は一つだ。

しかも俺は復活している。俺の死体から。つまり死体は存在しないはずだ。

しかしそこにあるのは明らかに俺の死体だ。どこもおかしな点などない、完璧に俺の死体だ。

まさか頂上も?そう、頂上の死体は手だけ見えている。まだその手が俺とは限らない。

俺はそっとその死体に近寄り、深呼吸してからその手を引き抜いた。

そして驚愕した。その手は貴志の物であった。


と思えば、唐突に貴志の腕がうごめき、まばゆい光を放つ。

俺が目を閉じ、光が収まってから目を開けると、そこには貴志の腕の姿はない。

いや、貴志の腕が変形していた。”剣”に。


「木更津」


messiahの声が聞こえる。しかし、その声はいつもの聞こえ方ではなく、まるで放送を介して聞いているかのような声だった。

……というより、普通にスピーカーから聞こえる様な音質だ。

結論から言えば、今俺の中にmessiahはいない。


「messiah?その……なんでお前の声がそんなに遠くなって」

「今、お前の体から離れられた。やーっとあのビギナーから卒業出来てせいせいするわ」

「それよりどういう状況なんだ?!他の奴は?」

「他の奴はみんな図書館から脱出してホールみたいなあの場所にいる」

「ここはどこなんだ?俺は……どうしてあいつらと一緒に居られないんだ?正直死にそうな気しか……」

「そこは第二ゲームの会場の一部だ。第二ゲームは会場が三つに分かれてる。そのうちの一つにいる」

「第二ゲームはいつ始まる?というか合流できるか?」

「第二ゲームは明日開始だ。合流も明日には出来るさ。ただ、参加者たちはチーム分けされるから、誰と合流できるかは分からん」「お前も分かんないのか」

「じゃあ俺だけ第二ゲームを一足先に体験ってか?最悪だな、というかどうしてこんな場所に?」

「お前がそこにいるのは私のせい……になるな。お前はなーんも悪いことしてない。お前への用事はあらかた済んだから、第二ゲームが始まれば簡単に仲間と合流できる」

「その言い方だと、お前はもしかしてもう俺の所には来ない感じか?」

「あーそうだよ。二度と行きたくないわお前の所なんて。……今のは流石に冗談だけど」

「情緒ヤバいなお前、色々と平気なのか?」

「平気ではないがーー」

「っと、そろそろ時間。多分もう二度と顔合わせないだろうな」

「え?二度と?」

「二度と会わない方が幸せになれる。それから、私に夢を見せてくれてありがとう。今後のお前に言っとくが、参加者もネームドも含めてお前以外にまともなやつなんていない。全員を敵だと思え。そして、その剣を絶対に捨てるなよ」


そう言い残し、通信は途切れる。

俺はmessiahのいうことを鵜呑みにしたくはなかったが、謎の使命感により剣をギュッと握る。

今、何が起こっているのかは全くわからない。だが、今の俺にできることは、

この第二ゲームを勝ち抜くことだ。





予告編

ここからの発言はおそらく第二ゲームに出てくる予定の発言です。

また、参加者・ネームド全員が話しているとも限らないし、発言は一人一つとも限りません。

時系列はバラバラです。

発言の一部が■で隠れていますが、これはmeutrueの能力です。彼にとって不都合な情報が消えています。

ちなみにこれは視聴者向けなので小説の登場人物には聞こえていません。



「第二ゲームでは3つのチームに分かれてもらうよ!そのチームの人数やメンバーは完全ランダムにしてるからねー!」

「たった一人でネームドと……?そんなの無理じゃん!!いくらあいつとはいえ……」

「私は絶対にこの世界は夢か走馬灯だと確信しております。何故なら、”彼”は私の記憶だと5年前に病死しているからです」

「僕はなんだってしますから、”主様”のためならば。例え僕が裏切られようと」

「”黄落人”って知ってます?誰かに変身できる人外なんですが、実はこの第二ゲームのカギを握ってまして……!」

「簡単な話でしょ?参加者の誰かを殺すだけでいいんだよ。前払いで体を君に付けちゃったから、まさか断るなんてことしないよね?妹のためならどんなことでも乗り越えれるんでしょ」

「また会っちまったな。会わないことを願ってたよ、お前に。最後の記憶が友達のまんまで、200回目を迎えてほしかった」

「あ、皆さん二回目の邂逅デスね!今度はもっと踏み込んだ内容が……って、■■サンデスか。ある意味一回目デスね?」

「取引しようぜ、天神。いや、■■ ■■■」

「その名前忘れかけてたぜ。思い出させてくれてサンキューな■■!!」

「(聞きなじみのない声)”木更津夫妻、本日はありがとうございました。最後に我が子にメッセージを!”」

「(聞き覚えのある声)”そうですねぇ……あなたならきっと神化人になれるわ、■斗!”」

「■斗?それが、俺の、名前?」


デスファイア 第二ゲーム「the secret agree ~隠された同意~」は近日公開です。お楽しみに!

デス・ファイア・ゲーム~混沌の世界へ~

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