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冥府の館の内装は、まるで高級ホテルを思わせる豪華さだった。
磨き上げられた床、優雅な曲線を描く大階段、落ち着いた照明が館内を柔らかな光で包み込んでいる。
茜は思わず息を呑む。
「やばっ・・・」
朝陽も周囲を見渡しながら感心したように呟く。
「外観も凄かったですけど、中はもっと凄いですね」
あまりの豪華さに、一同は思わず圧倒されて立ち尽くしていた。
すると、奥から一人の女性が穏やかな笑みを浮かべながら歩み寄ってきた。
「ご予約のお客様でしょうか?」
突然声を掛けられた朝陽は少し慌てながら答える。
「は、はい・・今日の13時に予約してます」
女性はにこやかに頷く。
「お名前をお伺いしてもよろしいですか?」
「浦添・・朝陽です・・・」
名前を聞くと、女性は手元のタブレットを慣れた手つきで操作し、予約を確認する。
やがて顔を上げ、丁寧に一礼した。
「かしこまりました、では奥の部屋にお入りください」
「は、はい・・・」
朝陽が奥へ向かって歩き出すと、茜が信愛たちへ振り返る。
「私たちも行こっか」
信愛も頷いた。
「そうしよっか」
しかし、一同が朝陽に続いて部屋へ入ろうとしたその時、受付の女性が静かに前へ出て進路を塞ぐ。
「申し訳ありませんが、あなた方は?」
信愛は戸惑いながら尋ねた。
「あ、ダメなんですか?」
女性は申し訳なさそうに微笑む。
「ご予約されていない方々はちょっと・・・」
「まぢで?」
茜は思わず声を上げる。
さくらも困ったように顔を見合わせた。
「どうしよう・・・」
その空気を破るように、美月が一歩前へ出る。
「実は弟が霊貴さんにお世話になってるんです」
受付の女性は首をかしげる。
「弟さんが?」
美月は静かに頷いた。
「ええ・・弟はずっと引きこもっていました
ですが霊貴さんの店に通う様になって
外に出れる様になりました」
美月は手を胸に当てて目を瞑る。
「霊貴さんには多大なる恩があります」
美月は真っすぐ女性を見つめる。
「ですので、どうしても、霊貴さんが
どうやって依頼者を救ってらっしゃるのか
この目で見てみたいんです」
そう言うと、美月は深々と頭を下げた。
「勝手なお願いだと言う事は百も承知です
ですが・・どうかお願いします!」
信愛たちは黙ってその姿を見守る。
しばらくの沈黙の後、受付の女性は優しく微笑んだ。
「かしこまりました。でしたら今回は特別に
特例として同席を許可させていただきます
こちらへどうぞ」
美月は安堵したように表情を緩める。
「ありがとうございます」
奥へ案内されながら、茜は小声で美月へ話しかけた。
「美月ちゃん?今の何?」
美月は少し照れくさそうに笑う。
「こういう所って来る人にはオープンだったりするから
ああ言えば通してもらえるかもって思ってね」
茜は納得したように頷いた。
「ああ、なるほどね」
さくらも感心したように笑みを浮かべる。
「さすが美月ちゃん♬大人の女性は違うわ♬」
美月は苦笑しながら肩をすくめた。
「だから美月先生だってば!」
信愛は美月へ向かって穏やかに微笑んだ。
「美月先生ありがとうございます
美月先生のおかげで私たちも中に入れます」
焔垂も短く頷く。
「ああ・・だな、ありがとうございます」
受付の女性は一同を見回し、丁寧に一礼した。
「さあ、こちらになります」
その言葉に朝陽が小さく息を整えながら皆へ振り返る。
「いきましょうか」
信愛は静かに頷いた。
「うん・・・行こう」
その横で、美月は誰にも気付かれないよう小さく唾を飲み込む。
(ゴクリ・・・)
館の奥へ続く通路には、どこか張り詰めた静けさが漂っていた。
誰もが胸の高鳴りを抑えきれないまま、受付の女性の後に続いて歩き出す。
そして一行は、生唾を飲み込みながら案内された『霊視の間』へと足を踏み入れた。
コメント
1件
美月ちゃんの「弟が霊貴さんにお世話になってる」って切り札、めっちゃ効いたな!ああいう場面で実績ベースの説得ができるの、キャラの深み出てて好き。受付の人の対応も丁寧で、逆にどんな霊視が待ってるのか緊張するわ…。次、霊視の間の展開が気になる🔥
#普通
野々さくら
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ありあ
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