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「それは、本当なのですか…?」
僕は精一杯の思いで声を出した。
「あぁ。今から数年も前の話だ」
「そんなに昔の話なら、話がつくり変わっているのでは?それに、どうしてそんな細かく知っているのです?」
これは兄だ。父上は、話すかどうか少し迷ったような顔になった。そして、母上の方を見た。母上は、首を横に振った。そして父上は、そのうち教えてやると言った。
約束の日、私は王子に会ってもいいのかと思った。会わない方が王子のためだと思った。でも、私は王子と約束した。約束をやぶるわけにはいかない。
しばらくすると、王子がやってきた。
「ベル!よかった。また会えた!」
その声はとても明るく、私の不安を消してくれた。ただのおとぎ話。このまま何もない。そんなことさえ思った。あと一週間すぎるまでは……。