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………チリンチリン チリンチリン………
遠くから鈴の音が聞こえる…
私はゆっくりと瞼を開いた。まだ薄暗い。まだ夜明け前なのだろうか。
そう思いあたりを見回す。視界がぼやけていてよく見えない。
鉄格子のついた窓。狭く四角い部屋。錆びた鉄の扉。
ーまるで牢獄だ
こ こ は 一 体 …?
音のする方を見ると時計があった。壁にかかっていたのが落ちてきたらしい。
視界がはっきりしてきた。
………!!!
違う。夜明け前じゃない。今は昼だ。
時計の盤は朝の11時とうつされている。
そうか。あの窓か…
私は鉄格子のついた窓に歩み寄る。
ああ、どうりで…
窓だと思っていたものは黒い壁だった。
この黒い壁は動くのだろうか…
お腹が空いたな…
突然鉄の扉が叩かれる。
開けて良いのだろうか…
……
開けろということか。
開けようすると、あることに気づいた。
ー取っ手がない…
恐怖と焦りで気が狂いそうだ。
そうだ。
寝ていたということにしてしまおう。
そうして冷たい床に寝そべる。
…ようやくと言ったところで音が鳴り止んだ。
すると、驚いたことに扉の向こうからこちらに向かって喋りかけてきた。