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短編小説「あの日、全てを捨てた君へ」
いつだっただろうか。去年?そのまた二年前?忘れてしまったが僕はいつまでも覚えている。あの日、君が全てを捨てた日を。ちょっとその話について話そうか。
○○○○年12月19日日曜日
僕はいつも休日はゲームをして過ごしていた。だがこの日は遊びに誘われてゲームなどせずに外出していた。
約束の集合場所、駅に着いたら皆が待っていた。
「おい!何やってんだよ〜30分遅刻やぞ!」
友人Aが怒り気味に言った。それに対し僕は
「ごめんごめんちょっと久しぶりすぎて。あれ?もう1人居なかったけ?」
そう言い周りを見渡すと駅の休憩室にポツンと座っているマスク女子がいた。
「あの人だよ。随分と人と接するのが苦手でね。ちょっと今日は克服させたいんだ。」
友人Aがそう言うと僕はすぐに取り掛かった。
「ついでにあの子の名前を教えてくれないか?名前で呼ばないと。」
僕がそう言うと友人Aはニヤリとしながら
「それも自分から聞き出しな。」
と言い友人Aは駅の改札を通った。
「はぁ…アイツにも程があるぞ…」
そう僕が言って早速話しかけてみようとして振り向いてたら目の前にその女子がたっていた。
「うわぁあ!!」
流石にビビってしまう。気配を感じなかった。(戦闘漫画かよ)
そして僕はビビって腰を抜かしていると女子が今日初めて声を発する。
「あ…あの…大丈夫ですか?」
僕はその声に一目惚れした。マスクをして顔はあまり分からないが声は綺麗で可愛かった。
「あ!あぁ大丈夫ですよ!大した事じゃないので!」
僕は急いで立ち上がるとその女子は慣れない笑顔でこう言う。
「よ、よかったです…」
クソ!声を聞く度に心に矢が刺さってくる感じが止まらない!
そう思いながらも僕は名前を聞いてみた。
「名前…聞いておかないとね。僕は○○。君は?」
そう言って名前を聞いてみると女子は
「名前…名前は…◆◆です。」
と言って女子はそのまま慌てて駅の改札を通って電車の元に行った。
「あ!やべ!もう電車来てるやん!急がな!」
そう言って僕も改札を通って電車の元に行った。
電車の中では一言も話さなかった。電車の中だと色々と人がいて恥ずかしいのだろう。
そして駅に降りて色々と遊んでいても女子はあまり話すことはなくなっていた。
そして今日が終わる頃僕達はやっと電車で帰ってきた。
「ふぁー!今日は楽しかったね!」
友人Aがそう言うと
「そうだな。多分もう明日からの学校が終わったら冬休みだけどね。」
僕がそう言って女子を向くと何か話したげな様子をしていた。
友人Aはニヤリとしてこう言った。
「ははーん…ごめん俺もう帰らなお母にボコされてしまう。また今度なぁ!」
そう言って友人Aは帰ってしまった。
駅の休憩室には僕と女子。すごく気まずい雰囲気だった。
それでも女子は勇気を振り絞って言った。
「あ…あの…クリスマス!」
…クリスマス?そう思って僕も返事を返す。
「クリスマスがどうしたんだ?」
そう言うと女子は戸惑いながらも言ってくれた。
「クリスマス…一緒にいましょ…!」
嘘だろ。今日会ったばっかやぞ。一目惚れした女子に一日でそんな事言われることあるか?
「あぁ…もちろん良いよ。」
僕がそう言うと女子は顔をパァァと喜ばせて少し小さい喜びの舞を踊っていた。
そのまま解散して僕が家に帰ると思い返してこう思った。
(クリスマスに女子と一緒にいるなんか初めてなんだが…)
そう思いながらも明日の支度などをした。まさかそのクリスマスにあの子が居なくなるなんて思いもせずに。
そして随分日にちが経ちクリスマス当日。電車の休憩室を集合場所として僕は待っていた。
だが女子は一向に来る気配はなかった。
「あれ?どうしたんだろう。寝坊かな。」
そう思いながらも友人Aから女子の連絡先を教えて貰っていたから電話をかけてみた。
「おかけになった電話番号は…」
「あれ?繋がらない。…まさかそんな訳ないよな。」
僕の中で嫌な予感がした。
すぐに友人Aに言って住所を教えてもらった。
そして約45分後その女子の家に着いた。
大きいマンションの中の302号室だった。ピンポンっとチャイムを鳴らし待っていても返事はなかった。
「やっぱりおかしい。まだ可能性があるとしたら…」
そう言って僕は屋上へと向かった。
僕は友人Aからこんな話を聞いていた。
「なぁなぁあの◆◆さん。すごく声がええやん。」
「へへ、だろ?お前の好みではありそうだなと思ったよ。」
「この野郎…1発殴ってやろうか?」
「ははすまんすまん○○。でもな◆◆は今病んでるんだよ。」
「病んでる?」
「そう。だからあんなに人と話せないんだ。いざとなったら自殺してしまうかもしれない。だから○○。君にはそれを止めて欲しい。お願いだ。」
「……分かったよ。」
「ありがとう○○。それといい情報を教えてやるよ。」
「何だよいい情報って。」
「ちょい耳貸してみ?」
そう言って僕は友人Aに耳を貸すと友人Aは言った。
「あの◆◆はお前のこと気にかけてるらしいぞ。」
「……はぁ!?!?」
僕が止めないと。止めないとあの子は…◆◆は死んでしまう…!
そして随分と長い階段を登って屋上のドアを開けたらそこには女子が立っていた。
「◆◆さん!なんでこんなところに…」
僕が声をかけると◆◆は言った。
「ごめんなさい。○○さん。私はもう限界なんです。」
「そんなことはないはず!こっちを見てくれ…◆◆……」
「ごめんなさい。私はもう“この世にはいません。”」
そう言っていた気がする。目の前には倒れていた◆◆がいたのだから。
どうだった?僕の経験した話は。悲しかっただろう?今も◆◆はあの世で楽しんで生きていると思うよ。
そう言って僕はお茶を飲んでいると後ろからドアを開けて急いで用件を言う警官がいた。
「○○警部!ついにあなたの友人◆◆に関する事件の犯人が出ましたよ!」
「そうか。ちょっとまっててくれ。」
そう言って僕は話し相手に言う。
「じゃあ犯人を捕まえてくるよ。◆◆」
そう言って僕はその部屋を出た。
そしてその相手は遺影の◆◆だった。
~完~
この物語はフィクションです。