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「 俺は 、
あいつ じゃない 、」
俺たちは 、一卵性双生児 。
先に生まれた菊、
そのまた16秒後に 生まれたのは 椿。
2人ともよく似ているのに、
全く似ていない。
菊は控えめで平和主義者。
椿は気が荒く、好戦主義者。
ほとんどが反対な彼らの共通点は
互いを信じ、互いを愛していること。
ある日のこと、いつも通りの朝。
いつも通りの朝のはずだった。
いつも通りの。いつも通りの。
俺は、どうして、気づいてやれなかったんだろう。
俺にとっては本当にいつも通りの朝で、
あいつにとっては、いつも通りの朝じゃなかった。
あいつにとって、朝なんて、無かったのかもしれない。いや、消されてしまったんだ。
「…k…ばk…つ…き…つばき…椿、椿ッ!!」
重たい瞼を持ち上げると彼は俺を覗き込んでいた。
「……煩い、」
「もうッ!あなたが起こせと言うから起こしたのにッ!椿のおたんこなす!!」
彼はぽこゞと怒りながら部屋を出ていこうとしたので、彼の腕を引き自身の布団の中へといれてやると「ダメですってば、遅刻しますよ?」とかやんとか騒ぎ出した。
「今7時だろ、少しだけだ。黙って温めろ。」
春の朝は少し冷えるからなのか、彼は少し震えていた。
「っ、椿…、ご飯冷めちゃいますよ、、」
「……なんだ、もう作ってくれたのか?
ふん、俺が作ってやってもいいのに、」
「あなたのようなお寝坊さんが作れるとは思いませんがね、」
「なんだと??もう一度言ってみろッ笑」
彼の横腹に指を入れて関節を動かせば彼は間抜けな声を出しながらびくゞと震え暴れだした。
「おいばかッ!落ちる!!」
余りにも暴れるので、俺たちはベッドから床へ落とされた。
「うあ゙ッ、腰がッ、、」
「まだ高3だろ、」
「あなたは何故痛くならないのかッ、!!」
「運動してないのが悪いだろう。」
2人とも起き上がり、朝食の元へ向かった。
「…美味しいですか?」
「ん。」そう頷くと彼は嬉しそうに照れていた。
「…菊、そんな怪我あったか?ほら、
二の腕のところだ。」
「さっきベッドから落ちたせいですよ。」
「…そうか。」あんな直ぐに青く残るか?
普通は赤色に染まるはずなのに。
まぁ、気にすることでもない。本人がそう言っているならば、そういうことだろう。
そう思っていた自分が馬鹿だった。
それが分かるのは放課後のこと。
菊といつも一緒に帰ってやってるが、
その日は珍しく遅く、30分も下駄箱で待っていた。
あまりにも来ないので探しに行くことにした。
「おい。おい!!そこの…、おい!お前! 」
「ヴぇッ!?俺ぇッ!?」
「お前に決まってるだろう?
菊を探しに行くから菊がここへ来たら電話しろと伝えとけ。わかったか??」
「ヴぇ、、でも俺この後ルッツと…」
「あぁ?」と胸ぐらを掴むとこのヘタレは泣きながら「わ、わかったわかったよぉッ!!」と
そんなヘタレを放っておいて、さっさと菊のいるところを探した。
とは言っても、彼のいるところなんてわかるのだ。
GPS位置情報アプリを彼の携帯に入れてあるのだ。もちろん、彼の了承を得て。
「……教室?居残りでもしているのか…?」
3年2組へ階段を上り、さっさと連れて帰ろう。
俺をまたせた罪でコンビニでもよってなにか奢らせよう。
そんなことを考えて、何を買わせるかを悩みながら教室のドアを開けようとした時だった。
「あ゙ぁッ!!」
いきなりそんな声がして、私は固まった。
この声、菊だ。だが、いつもの菊の声じゃない、
甘ったるい、濁った声だ。中からは肌と肌がぶつかり合う音と、いやらしい液体の音が響いている。
「……菊…?」
自然と、足から力が抜けた。
ドアに寄りかかり、中の声を、聞いた。
もし、菊とやっている奴が好きな人だったら、
菊の幸せを壊すことになる、黙っておこう、
本当はここは、何も聞かなかったことにして帰るのが正しいのだろう、だが、
もし違うのであれば、殺すのみだ、
「ぅ、ひッ、やめッ、やだッ、いや…ッ、
椿ッ、んッ、」
「おいおい、兄弟の名前呼ぶとかやばすぎだろ??
兄弟といっつもやってんのか??笑」
「ッ、ちがッ、ゔあ゙ぁッ!?!?
痛いッ、もうやめッ、助けッ、助けて、
助けてッ、、!」
咄嗟に、ドアを開けた。
「ッ、椿ッ、、?」
「何してんだよ!?おま…え…ら……は?」
中にいたのは、5、6人の男と、菊のたった一人、
両手をネクタイで結ばれ、2人の男が取り押さえながら、一人の男のものが刺さっていた。
そんな、こんな、大人数と…菊は……。
なんでこんなことになってるんだ、
「 椿…… 、 ごめんなさい、」
「何があっ」
「は 、?笑 」