テラーノベル
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順平が通ってる里桜高校の屋上で私は帳を降ろす。
母が死んだことで精神的に追い詰められた順平は、真人の言葉で自分をいじめた同級生を殺そうと決心している。
順平を改造人間にすることで虎杖の心を折るのが真人の目的だ。
私は全く乗り気じゃないが、羂索に勧められて真人の目的に協力することになってしまう。
「悪いね、真人と琥珀。私の残穢を残すわけにはいかないから。帳の効果は?」
「内からは出られない、中からは入れる…あくまで呪力の弱い人間はですけど。」
「住宅地の事前告知のない帳…すぐに〃窓〃が通報するだろう。真人の考えている構図が描けるといいね。」
「大丈夫じゃないかな。順平が宿儺の器を引き当てた時点で流れはできてるんだ。2人をぶつけて、虎杖悠仁に宿儺優位の縛りを科す。」
「漏瑚も君くらい冷静だと助かるんだけどな。」
「あれはあれで可愛いですよ。それより良かったんですか?あの指、貴重な呪物ですよね。」
「いいんだ、少年院の指はすぐに虎杖悠仁が取り込んでしまったからね。吉野順平に仕掛けた方は高専に回収させたい。」
「悪巧み?」
「まあね…それじゃ、私はお暇させてもらうよ。」
羂索は帳の外へ出ていった。
「夏油も見ていけばいいのに。きっと楽しいよ、愚かなガキが死ぬところは。」
「……」
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「…順平、高専に来いよ。バカみてぇに強い先生とから頼りになる仲間がいっぱいいるんだ。みんなで協力すれば順平の母ちゃんを呪ったやつもきっと見つかる。必ず報いを受けさせてやる。一緒に戦おう。」
虎杖と順平の話し声が聞こえる。
真人は2人の前に現れ、私もその少し後ろに来た。
「誰だっ!?」
「はじめましてだね、宿儺の器。」
(私は今から順平さんを見殺しにしなければいけないのか……)
「…どうも。」
真人は腕を巨大化させて虎杖を拘束する。
「待って、真人さんと琥珀さん!」
「クソッ、身動きがとれねぇ…!逃げろ、順平!コイツらとどんな関係かは知らん!けど今は逃げてくれ!」
「虎杖君、落ち着いて!真人さんは悪い人じゃ……悪い……人…」
(やっぱり、見殺しになんてしたくないな…!)
私はあらかじめビー玉ぐらい小さくしていた帳を大きくして盾のようにし、真人の手が順平に触れるのを止めようとした。
もうその頃には遅かった。
「順平はさ、まぁ頭は良いんだろうね。でも熟慮は時に短慮以上の愚行を招くことさ、君ってその典型。」
「順平って君が馬鹿にしている人間の、その次くらいには馬鹿だから。無為転変。」
順平の顔が膨れあがり紫色の肌になる。
「そんな…」
もっと速く帳で防御していれば、順平は生きているはずだった。
「さあ、ROUND2だ。」
その後は七海と虎杖と戦い、原作通りの展開になった。
(助けられたかもしれないのに、私のせいで順平さんが死んだ…)
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