テラーノベル
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「2日!?」
北アイルランドの声が響く。それに人差し指をたててシーっという声をウェールズは出した。
「じゃあ見てきなよ!,,,,,ほんとにそうだってなにかが感じたんだから」
「,,,,,とにかく仕事の引き継ぎだ。それぐらい俺達にはすぐにできるだろ。そんであいつの世話なら隣国やら海こえた弟やらが来るだろうし」
「寂しくないの?スコくん」
ズイっと近づいたウェールズをよけてスコットランドはパソコンを起動させた。
「俺らといるよりも、あいつらのほうが楽しそうに俺には見えたがな」
なんとも言えない空気に他2人も仕事道具を取り出してスコットランドと同じ行動をとる。 長年蔑ろにしてきた自分たちよりも、いつも傍にいてくれていた彼らのほうがよっぽど今弟の傍にいるのに相応しいことぐらい分かっていた。でも、その現実がいざ目の前にくるとこれまでの行動を非難し続ける。
もっと仲良くすればよかった
そんな言葉が横切っていくのであった。
その頃、イギリスの自室ではただ静かな風の音だけが響いていた。その中で所々兄の声が届く度にピクンと指を動かしていた。動かすもののそれはとても弱々しくすぐにパタンとまたベッドの上へ落ちていった。
もう冬は来ている
次の日
イギリスでは雪が降った。いつもより遅いくらいの積雪に皆が喜んでいる中、ザクザクと雪をかき分けながらひとつの影がある屋敷へ向かっている。
「ボンジュー陰湿な雰囲気のイギリスさん?」
フランスであった。いつもはたった一人の弟がそのお決まりセリフにカッとなり喧嘩を始めるのだが、その弟が今日はいなかった。
「やっウェールズ。弟くんは?」
「上だよ。,,,,,ふぁぁ、ごめんちょっと、俺たち寝てないんだよ。面倒事頼んだよ」
「まぁいいけど」
そのいつもとは違う雰囲気にフランスですら冷や汗をながしていた。
いつもとは明らかに違ったからだ
いつもなら、3人が魔法やらなんやらで病んでいる奴を徹底的にいじめ倒しているのだがそんなことする元気もないようである。
コンコンコンとノックし、中に入る。
「,,,,,なんだよ寝てんのか」
ユサユサと身体を揺らすも起きない。それにフランスは焦った。
「お、おい。なぁ脅かすなって。みんな心配してんだぞ?あんまりにもそんなことしてたらアメリカが飛んできて、」
その【アメリカ】という言葉にも反応がなかった。ガッと腕を掴む。それを見てハッとした
「なんだよこれ」
まるで木の枝のような腕を離すことはできなかった。
「,,,,,いてぇよ」
「イギリス」
ゆっくりゆっくりと開かれた眼と口にフランスは安堵する。
「心配させんなよ。まるで死ぬみたいに,,,,,」
「俺、死ぬんだからな」
「,,,,,は?」
「あと、1日か2日か。仕事の引き継ぎしなきゃなんねぇからパソコンとってくれねぇか」
「何、いってんのか俺分かんねぇよ」
「,,,,,言っただろ。俺は死ぬの」
「お前が」
項垂れるフランス。いつも通りであったのはイギリスの態度だけである。しばらく下を向き続けているフランスにため息をついてイギリスは手をフランスの頭の上にポスンと乗っけた。
「俺は死んじまうけど、イギリスは死なねぇんだ。」
「何言ってんだって!俺たち死なねぇだろ!」
フランスの怒号が響き渡った。だがイギリスの顔色は変わらない。
「何かの間違いだろ!イギリスの経済がすこぶる悪くなっちまったとか,,,,,そんな、,,,,,間違いで,,,,,」
「紛れもない真実だ。受け止めてくれないか」
「,,,,,」
「冬が越せないのが寂しいな。」
「,,,,,そっか」
「セーター縫ってあんのに渡せなくなっちまった。まだ完成してねぇから」
「作ってたのか」
「,,,,,なんだよその顔」
イギリスは少しニヤッとした顔でフランスの顔を見ていた。ぐしゃぐしゃの顔で涙を零していたからだ。
「お前は、もういなくなる当事者だから知らないだろうけど。そんなに間近でいなくなった国がいないから感じたことがないんだろうけど。俺にとっちゃとてつもなく寂しいんだよ。」
冷たく棒のようなイギリスの手を握る。
「それも、こんなに平和な世界になったときにいなくなるときたもんだ。,,,,,お前は名残惜しくないのかよ。俺はそんなお前の今の態度が気に食わないんだよ,,,,,」
「名残惜しいに決まってるだろ」
ハッとしてイギリスの顔を見つめた。イギリス自身もポロポロと涙を零し始めた。
「俺だって死にたかない」
「じゃあそんな態度続けてろよ。みんな慰めてくれるだろ」
「慰めたって変わんねぇよ今の状態じゃ。,,,,,怖えよ、もう、会えなくなるんだから,,,,,」
ポツリポツリと呟かれたその小さな叫びにフランスは少しだけ頬を緩ませて抱きしめた。
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