TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

「この前ね、果穂ちゃんがここに観光に来たんだよ。前にも話したと思うけど、ご家族でね。子どもさんもずいぶん大きくなってたし、本当にしっかり家族してた」



「果穂ちゃん……幸せなんですね」



「そうだね。きっと慧君にその姿を見てもらいたかったのかも知れないね。私はこんなに幸せだよって。果穂ちゃん、慧君と話してすごく楽しそうだった。あんな可愛い顔するんだっていうくらい。北海道に来て慧君に元気もらって、今も毎日いろんなことに頑張ってると思うよ。本当に……女は強いよ」



あんこさんの優しい笑い声が響いた。



果穂ちゃんもお母さんになって、ずいぶん表情が柔らかくなってた。



ご家族みんなで買い物してくれて、その姿を見てたら、こっちまですごく温かい気持ちになった。



自分を真剣に想ってくれてた人が幸せだと、こんなにも嬉しいのか……って。



そう思ったら、俺は雫ちゃんに心配かけたままなんだって、ちょっと申し訳なく感じた。



早く安心させたいけど、結婚という形では無理だから。



せめて今は、目の前の仕事を一生懸命頑張る。



その姿で雫ちゃんに少しでも喜んでもらえたらって、そう思った。



みんなで話していたら、時間が過ぎるのが早い。



あっという間に夕方なって、親戚のみんなも集まり、あんこさんのバースデーを祝うパーティーが始まった。



カフェの前の広い場所でのバーベキュー。



北海道の新鮮な食材が揃ってる。



じゃがいもやアスパラガス、たくさんの野菜は知り合いの農家さんからのプレゼント。



ホタテやエビ、アワビなどの魚介は鮮魚店、いろいろな部位の豪華なお肉は精肉店から。



あんこさんが数年の間に築いてきた信頼で、最高の食材が無料で集まってきた。



本当に、こんなに誰からも好かれる人はなかなかいない。



あんこさんの人間味溢れる人柄に、みんなが惹かれるんだろう。



男性陣がバーベキューを仕切り出し、女性はにぎやかに盛り上がってる。



久しぶりに楽しい時間が流れた。



「あの……慧さん」



真美ちゃんが話しかけてきた。



「ん? どうかした?」



「あっ、いえ、今日は私までお世話になって本当にありがとうございます」



正孝君のお嫁さん。



優しくて可愛くて、良い子だ。



雫ちゃんも、この子を自分の娘みたいに大切にしてる。



「真美ちゃんも来てくれて、あんこさんは喜んでる。忙しいのにごめんね、ありがとう」



「とんでもないです。私もですけど、お義母さんも……みんなに会えるって、すごく楽しみにしてました」



「そっか、それは良かった」



「ひとつ聞いてもいいですか?」



「ん?」



「慧さんって……お義母さんのこと好きなんですよね?」



単刀直入過ぎる質問に驚いた。



思わずビールをこぼしそうになる。



「えっ、あ、あの……」



かなり動揺する俺のことを見て、真美ちゃんが笑う。

loading

この作品はいかがでしたか?

42

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚