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リコちゃんに逢った後、森さんの住む高級マンションに来ていた。久しぶりのオフだったけど、今すぐに来いと呼び出されてしまったので、仕方なく出向いてやったんだ。
「どうしたんだ、今晩はえらく積極的に腰を振って。何か良いことでもあったのか?」
「ふぁっ、んっ、初恋の彼女にっ、……逢っただけ、だよっ、ふぅ……」
予想通りの展開に、ムダに躰が疼いてしまう。だって――
「ヤりたくて興奮してるのか、こんなになって」
卑猥な笑みを浮かべながら、後ろから俺自身と中の両方を、激しく責めたててくる。
「ンンっ、……ふぁ、ぁあ! ソコっ、ヤバイって! あぁあん!」
「稜っ、キツっ。締めすぎるなよ」
強引に腰を持ち上げられて、奥の奥をぐりぐりと責められてしまい、気が変になりそうだった。
「ぁあっ、やぁ、森さんっンンン!! あぁ、もう! っ――」
室内にはぐちゅぐちゅというローションの水音が響き渡り、互いの荒い息遣いがこだました。それを意識しただけで、更に乱れてしまう。
「稜のこんな姿を見たら、初恋の彼女はさぞかし、幻滅するだろうなぁ。ん?」
「んっ、ひゃ、……っあ、イ、っくっ! やぁ、あっぁ! あぁあ!!」
ぎゅっとシーツを握りしめ、躰を仰け反らせる。自身から吐き出されるモノを感じながら、森さんが中でイったのも感じた。
(ヤバい、一瞬気が飛んでしまった。森さんごときに、どうして感じまくってんだよ)
ちょっとだけ罪悪感に苛まれつつ呼吸が乱れている俺を、森さんが意味ありげに笑いながら横目で見て、タバコに火を点けた。寝室に淀む淫靡な空気に、タバコの煙が加算される。
「初恋の彼女、そんなにかわいかったのか? ヤりたくなるくらいに」
「そうだね、昔のままだったよ。残念なことに彼氏が横にいた」
顔にかかった髪をかき上げながらダルい体を起こすと、もっとくっつけと言わんばかりに、肩を抱き寄せられた。
「恋人がいてもいなくても、欲しいものなら手にするだろ。おまえなら、簡単にさ」
「森さんの略奪ワザを見習って、奪い取ってみせようかな」
「何だ、それ?」
美味そうにタバコを吸いきってから灰皿に押し付けて、じっと俺の顔を覗きみる。
「表面上あのADとは相思相愛の関係だったのに、裏から手を回して、わざわざ別れさせたでしょ。かわいそうに彼、地方に飛ばされちゃったんだよ」
「何を今更、文句を言ってやがる。俺に対して、はじめに色目を使ったのは、どこのどいつだ?」
答えようとした俺の口をしっかりと塞ぎながら、ねっとりと舌を絡めた。タバコの味が、じわじわぁっと口内に広がっていき、あまりの不味さに眉を寄せてやる。
「初恋の彼女と仲良くなっても俺との関係、終わらせるんじゃねぇぞ」
「もう、わかってるって。CMの件もありがとう。あれのおかげでドラマに出ないかって、さっそく声がかかったんだ」
「あまり、大きくなられても困っちまうな。この魔性の躰に、触れにくくなるしよ」
そして俺の感じる部分を、念入りに弄りだす森さん。思わず腰を浮かせて、喘いでしまうくらいに気持ちがいい。
「あっン、はぅうぅ、やぁッッ、……んんっ、っや!」
「今度は稜が上になれ。また奥の気持ちイイところ、突きまくってやるからさ」
喘ぐ呼吸を奪うようなキスの連続に、躰をビクつかせながら黙ってそれに応えてやる。
この夜はいつになったら、終わりを迎えるのだろうか――自分で幕を引いたことがない俺は、それだけが不安だった。