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#恋愛
39xx年2月25日
そろそろ52区に着くところだろう。現在地は50区だったはずだ。あと45分後ぐらいだろう。出撃準備は、済んでいるが念のため装備の点検を行う。
[通信電波受信]
[承認]
『こちら通信士5号。2号さん、そちらの様子はどうでしょうか。任務に支障をきたすようなことしてませんよね?』
「…まだ、何もしてない。それから、50区は相変わらず激戦区だよ。といってもほとんどが自動で動いてるだけの機械なんだけど。」
外から見ても明らかに激戦区って感じだ。ていうか、こんな激戦区の近くの区で3号の一人?
「ねぇ、5号。50区と近い52区に3号ひとりなんでしょ?危なくない?」
『3号は、こんなことで死なないと思いますが。それに52区を隔てるように51区がありますからね。それなりに安定してるんですよ52区は。』
そうだといいけれど、ここを見るとどうも危険に感じまう。これは、私のただの勘違いであって欲しいのだけれど。
外で争っているのは機械だ。観測都市の実験部が送ったらしい。私は観測都市に行ったことがない。宇宙にある大きな都市らしいが。
『2号さん、そろそろ50区を抜けるそうです 。戦闘 準備 お願────』
あれ?おかしい。通信機器の不調?もしかしてこれは────
[通信途絶]
「これはもしかして高出力マイクロ波攻撃ッ!?」
このままじゃ身体に害を及ぼしかねない。確か脳や中枢神経の異常、精神の不調などの事例もある。情報漏洩を防ぐためにもこのヘリも爆破しないと。
2号は慌てて爆破モードにし、ヘリから飛び降りる。ヘリは2号の地面着地と同時に爆破し、ちりじりに部品が離散する。
2号は背中に抱えていた少し長い日本刀を取り出した。異星人側の機械たちが襲いに来る。
異星人側の機械は、相も変わらず奇怪な形をしている。不規則で気持ち悪い極まりない。
不愉快な銃撃だけをただしてくる。そんなもの当たりっこないのに。
2号は、機械たちを一太刀で真っ二つに切る。剣を振るいなぎ倒しながらも52区へと足を急がせる。
今まではヘリなんて見逃されていたが、やはりそれも長くは続かないか。
1時間も経った頃だろう。ようやく目的地、スカイタワーに着いた。
あれ、スカイタワーの近くを見回る捜査隊?
目の前にいたのは、ただ人の形をし銃らしきものを持った異星人だった。
「そんなもの持ってなんになるの…。」
向こうがこちらに気がついたのか銃を撃ってくるがそんなトロイ弾当てられるほど怠けてはいない。
勢いよく接近し、2人同時に首をはね飛ばしてやった。
[本部に通信要請]
[通信を受諾]
「こちら攻撃型2号、無事スカイタワーについた。」
『あなた無事だったんですね。では、3号と合流をお願いします。では。』
[通信終了]
全く、5号は冷たすぎる。もう少し私にも気を使っておくれよとつくづく思う。
とりあえず3号に通信繋げるか。
[3号に通信要請]
[通信を受諾]
「2号無事に現地に到着しました。」
『了解。そちらにある非常用ドアから中に入れると思います。』
言われた通り非常ドアを開けて中に入る。ある程度明かりはあるようだ。3号がどの階層にいるのかはわからないが、3号の通信反応を追うしかない。
にしてもシャッターが全て閉まっている。確か、3号が任務に当たっていたのはまだ低い下層のはずだからこんなに大規模なことはできないはず。
「どうしてこんなにシャッターが…?」
『あぁ、それですか。異星人が持ってた鍵で操作盤起動したので。向こうからみればただのセキュリティ強化でしか無いですが。』
でもかえってこの機能だと敵は脱出はできないいや、しようとしない。
反応は10階のところで止まっているな。
2号は10階の階段を登りきるとドアを開いた。
[通信終了]
そこには、3号らしき少年がいた。頭や頬に包帯や絆創膏を貼っている。怪我でもしたのだろうか。
首に目線をやる。首にはナンバーが書いているからだ。書いていたのはRCU-003という表記。
「3号だよね。」
「ここにいるのは自分以外いないじゃないですか。」
と細かいことを言いながら怪訝そうな顔で首筋の数字を隠すように手で覆う。
見られるの嫌だったかな。確か16なんだっけ。年頃の男の子なんだな。
「首見られるの恥ずかしいの?」
「そうじゃない変な勘違いしないでください。」
即答された。でも、半分以上は図星だろう。口調が早くなってる。
再びじっくり見てみるが、体重が軽そうで羨ましい。身長は私の方が高いから当たり前なんだけど、にしては細い。
また見すぎてしまったようで3号は怪訝そうな顔を浮かべていた。
「2号さん、あんまり見ないでもらえますか?」
「あ、ごめん。」
情けない気持ちで軽く会釈し謝る。というかめっちゃ任務以外のことを考えてしまった。
あれ?普通制御室とかって最上階にあるイメージだけれど、なんでこんな所にあるのだか。
この施設自体そもそも大きな建設物って訳でもなかったのかな。にしてもやっぱり気になる。
「一様言っておきますが、ここは旧制御室なんでそこまで大した操作は期待できません。」
なるほどと言葉をこぼし、心中納得する。でなければ欠陥どころじゃない。
やっぱりここはそもそも建物自体が小さかったんだろう。操作盤には色々な記録がある。
「この記録って地球の記録…?」
「どうしましたか?」
「地球の記録とやらが、なんでこんな所にと思って。」
ほんとだと呟きながら3号は再び操作盤をいじるがその時、部屋に何かを投げ込まれたのか「コツッ」という音が部屋の端から端まで響く。
本能的にまずいと思い3号を掴み廊下側へと投げ飛ばす。すると部屋にはガスが蔓延する。
体が痺れて地面に膝をつく。口元に違和感があると思い手で抑えるとベッタリと血がついていた。
あ、やばいねこりゃ。左に敵がたくさんいるじゃないですか。
2号は殺されることを覚悟したが廊下側まで引っ張られた。3号だ。3号はドアを閉めたかと思えば2号のほっぺをつねる。
「バカ!あんた死にたいの!?」
「あはは…、ごめん。大丈夫だから…。」
2号は立ち上がろうとしたが3号に止められまた座らされる。
[本部に通信要請]
[通信を受諾]
「2号が毒を食らった。作戦の進行に影響が出る。」
『了解しました。応急処置に専念してください。』
[通信終了]
毒ガスは恐らく上へ行く為の階段から投げられた。このタワーの階段はふたつ。向こうにあるののは東階段、こっちは西階段だ。上の階と繋がってるからこの場所にいるのは危険すぎる。
「3号、上から来る…よ。」
平気を装って喋る。やはり3号は怪訝そうな顔をしていた。
「一旦退くぞ。そんな体で戦えるわけない。」
なんて言うと3号はこう両手で抱えるなんてことせずに結構雑に人の事持つし。
8階に降りて身を隠す。毒のせいでまだ体がだるい。 鼻血がぽたぽたと容赦を知らない様子で出て止まらない。3号がハンカチで鼻を抑えてきた。これじゃハンカチが血で汚れちゃうよ。
やばいまた口から血が出てきちゃった。息がしずらい。視界が色ズレ起こしている。
「水飲めるか?」
うんと言う前に口になにかいれられ口に水を入れられる。さっき聞いたのなんだったんだ。
3号に注射薬を渡した。
「これ、打ってくれないかな。」
「…うん。」
3号は注射薬を受け取る。2号の首筋に打ち込んだ。
3号は心配してくれているのだろう。会ったばかりの私に対してなんでこんなに優しいのだろう。いや、任務に支障が出るからだよね。
気持ち悪い感覚は消えたが別の気持ち悪さが私を襲う。ふらつく足を無理にでも動かし立ち上がる。
「これ以上は任務に支障が出る。とにかく、上の階層に行ってあいつら殺せばいいんでしょう?」
3号は唖然として呆れたように小さくため息を着いてうんと小さく頷く。
2号は背中に抱えていた大きな長剣を両手で持つ。3号も刀を持って2人は階段を駆け上がる。先程ガスを浴びた部屋へと向かうがガスは部屋から抜けていた。そもそも窓が戦闘中に割れていたのだろう。
やはりそこに敵側数人いた。何かを探している様子だったが殺すことは容易だった。3号には任せられない。
2号は3号が警戒しているうちに飛び出して一人一人の首を跳ね飛ばす。剣を投げ遠くの敵を斬り、いつの間にかそこには死体と血だけになっていた。
衣服や髪には返り血がベッタリと着いていた。それを気にせず2号は3号のもとへと行く。
「さっき毒ガス浴びたばっかなんだから、動かない。過度な戦闘は控えなさい。」
「は〜い。わかってるよー。」
とりあえず警備兵を殺せばあとはただのペイペイだから、まずは警備兵を殺すところからか。
2人は階段を駆け上がり躊躇なく異星人を殺し、頂上を目指す。
「おかあさん、どうしてせんそうをしてるの?」
おかあさんの顔がすこし怖いの。最近、とうようじんって人たちがこの星をしんりゃく?しに来たって言っているの。
いせいじんをせんめつするっていってるの。わたしからしたらいせいじんはきみたちなのに。
「戦争っていうのはね、領土を取り合ってしまうの。それが起きる理由は色々あるけどね、大丈夫。あなたは私が守るわ。おかあさんは強いんだから。」
「そうだよね。えへへ。」
りょうど?はちょっとわからないけど、おかあさんはすっごくつよいんだから。きっとだいじょうぶだよね。おかあさんといっしょなら怖くないよ。
でもね、したから悲鳴がきこえるの。おかあさんもきかないフリしてるの、わたししってるよ。
コツコツとしたおとがなる。そこには2人のおにぃちゃんおねぇちゃんがいたの。でもなんだかあかいものがとびだしてみんなたおれちゃったの。
目のまえでおかあさんがたおれちゃったの。おかあさん、わたしを守るようにしてせなかをきられた。なみだがあふれて、かなしいの。
「おかあ…さん、わた…し…やっぱり…怖…いよ…。」
そしたらね。あたまがぐるぐるしてあたまからたおれちゃった。
でも、めのまえにいたおねえちゃん、なきそうなかおでわたしのことみていたの。
「ごめんね…。」
それがわたしがさいごにきいたことば。
「ごめんね…。」
2号は変やな奴だ。自分から殺しておいて謝るのも、死者にわざわざ話しかけるのも。
このタワーの人間は全て死んだだろう。そのあとは情報収集した後にタワーの爆破だったっけ。
ここの死体の山には特になにも無さそうだし、情報がありそうな制御室へ行くしかない。それと本部に
通信してから状況報告だったな。
[本部に通信要請]
[通信を承諾]
「こちら3号、タワーにいた異星人の大半は殲滅完了。情報収集したあとにタワーを爆破する。」
『了解しました。敵の残党が残っている可能性があるため気をつけてくださいね。開運を祈ってます!なんて…、最近覚えたての言葉使ってみたのですがこの決まり文句良くないですか?』
92号はまたまた呑気なことを言ってる。なんだかんだその呑気さで逆に冷静になれるから助かってる。
「後半の話は任務には不要。けど、悪くないと思う。」
『ありがとうございます!えへへ。』
調子が狂うし、とりあえずさっさと通信を切ろう。そうした方がいい。92号と話すと気が抜けてしまう。と思った時近くに物音がした。
『3号さんも、今度決まり文句とか作ってみるのもいいんじゃないですか!?一緒に考え────』
92号の言葉を遮り、すまんと言い残し通信を切断した。
[通信終了]
2号は未だに死体を眺めていたが、近くにはまだギリギリ生き残っている敵がいた。どうやら腹部を大きく損傷しているようで普通なら助からない。
3号は剣を男に向ける。構えて2号が気がついて振り向いたが、3号は左手で来るなと手振りをした。
「2号は耳を塞いで目をつぶっとけ。」
死に際の人間の声なんて聞きたくもないだろう。こんなところ92号にも聞かせたくなんてない。
「お前らの罪は!!!救世主様が必ず裁くッッッ!!この化け物がッッッッッ!!!!!!」
男が次の言葉を言う前になった音はなにかが砕ける音。その瞬間から男の首は無かったのだ。
その顔が、その声が、その死に様が。きっと誰かにトラウマを与えることになる。それを負うのは自分だけでいい。
けど、2号は耳も目も塞がなかった。目を背けずにいたのだ。頭がおかしいとしか言えない。
「そんなに人の死の際に興味があるのか?」
無神経な事を聞いたことはわかっている。だが、それほどに普通ではなやらないような事をしてみせる2号は自分の目には、おかしく見えた。
「この戦争に、あなたにも、目を背ける訳にはいかない。そんな事をしてしまえば、自分が嫌いになる。」
2号は真剣な眼差しを向けていた。それは、前向きに死を受け止めるなんてものではなく、ただただ無機質に戦場に縛られていたいという願望があった。
「例えどんな死でも、黙って耳を塞いでいるような愚劣はしません。」
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