ママがいなくなり、お兄ちゃんもどこかへ行ってしまった。
そんなある日、突然知らないおじさんとおばさんが家に現れ、おばさんが、自分はママの遠い親戚だと名乗った。
おじさんとおばさんは、私を車に乗せると、そのままドアを閉め、車を走らせようとした。
「お兄ちゃんは行かないの?」
そう尋ねるとおばさんは、すまなそうな顔をして、
「お兄ちゃんは、違うお家に行くことになったんだよ。」
と言った。わたしはお兄ちゃんと別々に暮らすなんて考えられなかったので、
「そんなの嘘だ!お兄ちゃんは私のお兄ちゃんだもん!」
と大声で泣き叫んだ。するとおじさんは、私とおばさんをギロリと睨みつけた。
後から思い返せば、全てつながる。母親が亡くなり、その後しばらくひっきりなしに聞こえていたパトカーの音、そして何よりも、そのままどこかへ連れて行かれた兄…。
おじさんとおばさんの家での生活が始まると、私はおじさんの苗字を名乗らされた。こうして、私は突然、母も兄も失った。
おじさんは最初のうちこそ少し優しかったものの、すぐにその本性を現しはじめた。夜な夜な酒を飲み明かし、おばさんを怒鳴りつけては殴り、酷い言葉を投げかけていた。私がおばさんを庇うと、おじさんは矛先を私に向けるようになった。
13歳のある日、おばさんはとうとう耐えられなくなったのか、一人で出て行ってしまった。一人残された私は、おじさんに嫌というほど罵倒された。私以外にも、母や兄に対する、卑劣な言葉の数々…。
挙句の果てにおじさんは、私もいずれ母か兄のようになる、と嘲笑しながら言い放った。
そのままおじさんは私を張り飛ばし、床に倒れた私に馬乗りになった。今までに味わったことのない恐怖が私の全身を襲った。
おじさんは息を荒らげて私に迫ると、そのまま私の服の中に手を伸ばし、私の身体をまさぐり始めた。
―このままだと、私…。
もうその後のことはわからない。
私は、恐怖に身体を震わせながらも、迫ってくるおじさんの顔に渾身の力をこめて頭突きを食らわせると、一瞬の隙をついてその喉仏を押さえつけた。そして素早く身体を抜き、力任せに急所を蹴ると、おじさんは顔を苦痛に歪めて身体を曲げた。このタイミングを逃したらもう私の命はない。幸い台所は近かった。私はおじさんの身体のありとあらゆる急所を殴りつけながら、必死に時間を稼ぐ。やがてとうとう台所のテーブルにあったビール瓶に手を伸ばすと、それをまだうずくまっていたおじさんの後頭部に思い切り振り降ろした。
持てる限りの力を込めて、何度も、何度も…。
コメント
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つ、辛い‼︎‼︎(´;Д;`) でもここからきっと…って思ってます