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りねん 🫧🧊⛩️ @低浮
黒猫ている
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私には幼なじみがいた。ただ近所なだけの友達。そう思っていたはずなのに
彼女は男の子に片思いをしていた。
名前は赤月健人っていう少し変わった子。
彼とも私は友達だった。
昔から霊感が強くて意味がわからないことを口走るような子だった。
そして私達3人は幼なじみで
そこまで深くないけど、
浅くもない丁度いい関係。
そう思っていたのに。
健人に片思いして
頑張る彼女を可愛いと思った。
好きだと感じた。性別という壁を超えて。
分かっている。
どうせ私の恋は叶わないし、
見向きすらされないってことも。
健人が少し羨ましく思う。
そのことに驚いた。 自分の正気を疑った。
多様性の時代とはいえ
同性に恋をするなんて。
そう言って内心腐女子を嫌っていた私が
彼女に恋をしている。
いや、そんなわけない。
そしてある日の放課後、
美夏と一緒に帰る事になった。
うるさい鼓動に悩まされながら隣を歩く。
「夕日綺麗だね。」
美夏はなんで健人を好きになったんだろ。
そんな事を考えていた脳に
可愛い声が響いた。
「そうだね。」
くだらない会話が愛おしく感じる程に好きなのだと 痛感させられた。
その言葉を噛み締めるように
静寂が夕焼けの空に包まれる。
「また月曜日!」
その声が最後になるなんて思わなかった。
事故で美夏は死んでしまった。
お葬式には
私のお母さんも着いてきてくれた。
遺体の損壊が激しかったのか、
顔を見れなかった。
その時は涙が出なかったはずなのに。
学校に来て健人の顔を見ると、
なぜか涙が溢れる。
健人も黙って一緒に泣いてくれた。
これを見られたら恨まれるかもな…
そしてテストも悲しい程に順調で、
段々と記憶が薄れて行くようで。
あの時の悲しみを忘れたくない。
なんて理由で美夏をずっと思い続けてた。
なのに時間が流れる。
残酷なくらいに人間の脳は合理的だ。
辛いことほど忘れやすい。
ふらふらと無気力に散歩していたら
人気の無い神社まで来てしまった。
ここなら何を叫んでもいっか。
思わずそんな思考が巡る。
「大好きだーーっ!!」
全力で叫んだ。美夏に向けて。
届いているといいな。叫んでしまった謝罪と感謝を込めて参拝をする。
2礼2拍手1礼。
私は美夏の事が大好きなんだ。
もう自分の気持ちを誤魔化したりしない。
振られてないけど失恋しちゃったな…
次の恋でもするか!
そう思った時の顔が一番酷かったと思う。
家に帰ると美夏のお母さんが
たまたま来ていた。
「これ、美夏が貴女にって。
私達もまだ見てないの。」
そう言われ、
折り曲げられた一枚の紙を渡される。
感謝の旨を伝えて部屋に戻ると、
早速曲げられた紙を広げてみた。
そこには誕生日プレゼントとして
この手紙を書いたことと、
懐かしい思い出と、
「ずっと友達」と書いてあった。
なんだか次の恋に向けて
私の背中を押してくれている 気がする。
私にとってそれは
最高で最期の宝物だった。
星河冬香へ
こうやって手紙を書くのは初めてかな?誕生日おめでとう。プレゼント何がいいか分からなくて、手紙にすることにしたよ。もう高校2年生になったふゆゆを見ると、成長したなって思うよ!海で水着を色違いにしたことも、冬にこたつでアイス食べたことも、全部全部覚えてるからね。これからもずっと友達でいようね!
陽山美夏より