この世界には3つの人種が存在する。破壊する事が好きで、破壊する事に快楽を感じる破壊神。色々な物を再生し人々に幸せをもたらすとされている再生神。そして、何も出来ない雑魚にわけられる。戦争はその3つの人種を隠し雑魚として生活する3人の人物から始まる。
1話 第1章 『破壊神の苦脳』
破壊神と再生神は2つの人格がある。 人格と言っても、性格が変わる訳ではなく姿が変わるのだ。
ある日、とある1人の男が無差別殺人を行った。その男は老若男女問わず、残酷な方法で殺し回った。彼は捕まった時に笑いながらこう言ったそうだ。「俺達破壊神は人の苦しむ顔が好きなんだ。俺達はこの世界を恐怖で支配してやる」と。その男をかわきりに殺人事件が増えていった。この一件で破壊神の印象は地の底に落ちた。
「ふぁぁぁ、暇だなぁ」
木の下で呑気にあくびをする1人の少女。少女の視線の先はひとつの都市。その都市からは悲鳴と泣く声がひっきりなしに聞こえてくる。それを見て少女はニコニコと笑っている。
そう彼女こそが雑魚として生きる破壊神である。
「おい、そこで何をしている!」
ガタイのいい男が少女を囲み、武器を向ける。
「休んでただけなんだけど~?」
少女は男をおちょくりながら話す。
「話すのは良いけど…後ろ見てみ?」
男は後ろを見ると、羊の角を生やした糸目の男が本を持って立っていた。
「誰だ!!早く立ち去れ!」
そう言った瞬間、がたいの良い男が姿を消した。
「立ち去るのは…あなた方ですよ」
残ったのは少女と糸目の男だけ。糸目の男は少女に近寄り、跪いた。
「君主様…お迎えにあがりました」
少女はニコッと笑い「さっすが、私の優秀な秘書だ」と撫でる。
燃え上がる都市を尻目に2人は空の旅を楽しむ。少女の名前は奏。秘書竜胆と一緒に破壊の限りを尽くす破壊神の長である。
「君主様…暴れるのは辞めてくださいね」
はぁとため息をつく竜胆を見て、奏はニコニコしながら「了解っ!!」と元気に返す。
その2人を見た者はいない。居たとしても竜胆に殺されているだろう。
「私は、雑魚として生きるんだぁ」
そう話す奏は少し元気がないように見えた。
「ふふっ、出来るといいですねぇ」
竜胆は奏を抱きしめながら、2人の家へと帰った。
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