翌日、火曜日の授業は6時限目まで。
地理の授業が終わって帰る用意をしていると、昨日と同様に美洋さんが登場。
「今日は急ぎます。早く」
何があるんだろう。
そう思いながら、せっつかれるように早足で理化学実験準備室へ。
よく見ると美洋さん、授業用以外に大きめのトートバッグを持っている。
フライパン2つが見えている処から見ると、何か作る気のようだ。
理化学実験準備室に着くなり、カバン等を置く。
そして昨日の棚から、カゴと革軍手、鋏を3人分取り出す。
「では先生、今日はあのフキをちょっと料理してみたいので、採ってきます」
「気を付けて下さいね」
先生はあっさり了承してくれた。
なので完全に美洋さんに引っ張られる形で、昨日の場所へと出発する。
途中で川俣先輩と出会った。
「お、今日は何が目標だ」
「フキを煮付けるまでです」
「了解」
この会話で、始めて全体像がつかめた。
「あのフキを、食べる気なんですね」
「ええ。だって、あんなにいっぱい生えているんですもの。まるで料理して下さい、という招待状のようじゃないですか」
いや、僕はそう思わないけれど。
でも面白そうだとは思う。
「料理方法とかは、わかりますか」
「大丈夫。昨日、ネットで調べて参りました。塩も醤油も出汁もみりんも用意しました。ばっちりです」
美洋さん、とんでもなく積極的だ。
「時間配分を考えると、採取には30分しかあてられません。なので、少しでも多く、柔らかくて美味しそうなのを採取して下さい」
という事で、僕達は学校裏に辿り着く。
当たり前だが、こんな所に他に人はいない。
「では始めましょう」
それぞれ軍手をはめてカゴを手に、フキ採取が半ば強制的に始まった。






