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コメント
2件
純粋にこの二人の様子は微笑ましいのだけど…希実ちゃんを思うと無念でしょうがないよ😔
わあ、このエピソードすごく良かったです!ファンと作家の偶然の再会、しかもシオンくんがあんなにバレバレなのに一生懸命で…思わずこちらまで照れてしまいます。「人生を変えてくれた一冊」って台詞、本が好きな人間としてすごく刺さりました。桜子先生がポップを見て「とても心のこもった文章」と褒めるところも優しくて、この二人の距離がどう縮まっていくのか、続きが気になって仕方ないです!
桜子の声が思わず弾んだ
「まぁ!袴田さんじゃないですか、え?ここで働いていらっしゃるんですか?」
「うわ・・・み、美木先生だ・・・本物?」
シオンは首まで真っ赤になってその場で固まっていた、まるで石像になってしまったようだ、桜子はクスクスと笑いながらしゃがんでシオンが落とした本を拾い集めた
「あっ! い、いいです、先生!!そんな、僕が拾いますから!」
「いいのよ、はい、どうぞ」
本を差し出すと、シオンは慌てて受け取り深々と頭を下げた
「す、すいません!すいません!」
「袴田さんって、ここの店員さんだったんですね、山口県にお住まいだと聞いたけれど、ここは袴田さんの地元なんですね」
桜子がそう尋ねると、シオンはエプロンの紐をきゅっと握りしめて俯いた
「あの、す、すいません・・・僕、情報を追えていなくて・・・もしかして今日の、上の映画館のサイン会のゲストって・・・美木先生だったんですか?」
桜子は、おかしくなって笑いながら答えた
「ええ、まさに私です」
「ああ・・・」
シオンは、両手で顔を覆ってその場にうずくまりそうになった
「なんてことだ・・・休めばよかった・・・美木先生が来るって知っていたら絶対に有給をとったのに」
「あら、でも、おかげでこうして会えたじゃないですか」
「そ、それは、そうですけど・・・」
シオンは顔を覆った指の隙間からチラリと桜子を見た、それからピンッときた桜子がシオンに言った
「このポップ、とても素敵ね、とても心のこもった文章でさっきから見入っていたの、もしかしてコレ書いてくれたの袴田さん?」
シオンの顔がこれ以上ないほど真っ赤になった
「ハイ・・・その、先生の本が本当に大好きで、ネットでは賛否両論あるのは知っているんですけど、でも僕にとっては本当に、人生を変えてくれた一冊で、ですから一人でも多くの人に読んでもらいたくて・・・まさかご本人に見られるなんて・・・」
しどろもどろになりながら、それでもまっすぐに言葉を紡ぐシオンを桜子は黙って見つめていた、胸の奥がジン・・・と熱くなる
「ありがとう、とっても嬉しいわ、こんな素敵な言葉を頂いてここへ来てよかったです」
「そっ・・・そんな、とんでもないです・・・」
シオンはぶんぶんと首を振って考え込むように急に黙り込んだ、エプロンの紐を握りしめ、何度も口を開いては閉じ、また開いては閉じる、桜子は何も言わずに彼の挙動不審な行動を見守った、やがてシオンは意を決したように顔を上げた
「あ、あの、もしよかったら・・・僕、今から上がりなんですけど・・・よければコーヒーなんか飲む時間はありますか? あ、いや、ないとは、思うんですけど・・・」
言い終えてからシオンはハッと自分の口を押さえた
「あっ、そ、そうですよね、美木先生は新幹線で帰らないといけないですし、お忙しいですよね」
その言葉には、言った本人が桜子と同じくらい、驚いているようだった
「あ・・・き、気にしないでください!!えっと、今、僕が言ったことは、忘れてください!!」
あたふたと手を振るシオン・・・その必死な姿を桜子はじっと見つめていた、新幹線の時間までまだ一時間以上はある・・・いつもは心配性な桜子は新幹線の時間の一時間前には待合室にいるのだが・・・桜子はふっと微笑んで言った
「喜んで、ご一緒しますよ」
桜子の言葉にシオンの顔がパァッと輝いた、前髪の下の瞳がまるで少年のようにキラキラと光っている
「すっ・・・すぐ、着替えてきます!!三分、いえ、二分で!」
クス・・・「ハイ」
シオンは散らばりかけた文庫本を慌てて棚に直すと、出口に向かって駆けていった
ひとり残された桜子は、肩を震わせて笑った
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