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「集団で任務ってすんごい楽しいね!」任務終わり、ラウールが楽しそうに笑う。
「ひとりでやるのとは全然違うよね。」
そんなラウールを見て、周りも微笑む。
「めめの能力も久々に見たなー」
「たしかにね。」
ラウールは早くメンバーと仲良くなれていた。
お互いに遠慮をしない距離感で話していたため、まるで元から9人であったかのような感じもする。
その中…
「む…」
ひとり頬をふくらませていた。
「ん?こーじ?どした?」
「何かあった?」
向井が頬を膨らませていることに気づいた阿部と佐久間が声をかける。
「いやぁ…仲ええなぁって思っただけや…」
不機嫌を露わにしながら向井は目黒とラウールを見る。
「相棒がとられたって感じ?」
阿部も目黒とラウールを見て、距離が近いと感じているようだ。
「まあまあ!ラウールもまだ不安なんだって!」
慰めるように向井の背中を叩く佐久間。
「むぅ…」
向井はモヤモヤを抱えながら、歩き出した。
ザワザワ…
とある撮影現場。
「渡辺さん入りまーす!」
「おはようございます。」
渡辺は美容アンバサダーとして雑誌の撮影をしていた。
今引っ張りだこの渡辺は毎日のように仕事をしながら、夜は任務をしている。
「あぁ…つっかれたー!」
帰り道。
渡辺は体を伸ばしながらカフェに向かっていた。
そこに、
「翔太じゃん!おつかれぃ!」
佐久間、阿部、岩本がいた。
この3人もカフェに向かう途中だったようだ。
「せっかくだし一緒に行こうよ。」
阿部の提案で4人でカフェに向かう。
カフェ前に着いたが、店の前でちょろちょろ動く女性がいた。
「どうかしました?」
「はぇっ!」
岩本が声をかけると女性は慌てる。
「あ、あの!!ここってやってますか!?」
慌てて、声を上ずらせながらそんな質問をする。
「今は営業時間外だからやってないよ。」
阿部が答える。
営業時間外はSnow Manの拠点となるため、普通の客は入れないのだ。
「そ、そうですか…」
しょんぼりとする女性。
ふ、と顔をあげる。
「え..?渡辺くん?」
顔を上げた時、渡辺と目が合い、驚いた顔をする。
「ん?知り合い?」
「知らねぇ」
佐久間の問に即答する渡辺。
「私だよ!高校で一緒だった!2年の!」
必死にアピールをするがピンと来ない渡辺。
だが、次の一言で
「宮舘くん…日本に帰ってきてたんだね…」
「…..っ!!!」
渡辺の顔色が変わる。
「渡辺くん。宮舘くん、元気にしてる?」
女性がそう言う前に渡辺は駆け出す。
「翔太!?」
他3人も呼びかけるが止まらない。
渡辺は、カフェの反対方向に逃げていく。
「最悪…だっ…!」
苦しげに顔を歪ませて。
(渡辺視点)
「はぁ、はぁ」
なんで、なんであいつがここにいんだよ…!
しかも、
『宮舘くん…日本に帰ってきたんだね…』
くっそ!くっそ!
何が、何が宮舘くん元気にしてる?だ!
ふざけんなよ!なんで俺に聞くんだよ!?
あいつとは、もう…!!
「くっそ…ぅう…」
目尻が熱い。喉の奥が詰まってるような感覚がする。
それでも俺は走り続ける。
できる限り、あのカフェから離れられるように。
俺と涼太は当たり前に同じ高校に通っていた。
俺は涼太がどんな選択をしても同じ道を歩いてくって決めてんだ。
(あれ?涼太がいねぇな…)
式が終わったあと、教室にいる涼太を迎えに隣のクラスに来たけど、そこに涼太はいなかった。
(一緒に帰るって言ったんだけどな)
疑問に思って、涼太のクラスメイトに声をかける。
「涼太は?」
「おお、渡辺じゃん。宮舘は女子に呼び出されてたぞ」
「ふーん。サンキュ」
同級生だけど名前の知らないクラスメイトにとりあえず礼をして、体育館裏に移動する。
この学校で人気の告白スポットだ。
涼太が女子から告白?
それがなんだ。涼太がおーけーするわけねぇじゃん。涼太には俺がいるんだから。
俺も涼太以外の人間になんて興味無い。
余裕な気持ちを持って体育館の裏まで軽く走ってく。
「ごめんね。君の気持ちには答えられない。」
ほら見ろ。
俺が来たタイミングにその女子は振られていた。
当たり前だ。涼太が俺以外を選ぶわけない。
このまんま涼太を迎えに行こうと思ったけど、まだ涼太が何か言ってる。
「ここで気持ちに答えたら、きっと君のことを苦しめてしまう。」
…?
「フランスに行くと、会えなくなるしね。」
「…..ぇ?」
りょう、た?
今、フランスって…
そんなこと聞いてない…!!
なんだ!どういうことなんだよ!?
俺と涼太は同じ大学な通うんだろ!?
嘘だ…!!嘘だ!!!
俺はいつの間にか涼太と帰る約束を無視して家に帰った。
母さんが何か言ってんだろうな。
それも無視して部屋の鍵をかけてカーテンを閉める。
制服のままベッドに転がり込む。
そんなの、信じられるわけねぇだろーが…
そのまま、俺と涼太は一回も会わずに、涼太はフランスへ行った。
俺のことを置いて。
「翔太が逃げた?」
深澤が3人の話を聞いて驚いたように聞き返す。
「うん…」
もちろん、阿部、佐久間、岩本だって困惑している。
「それで、さ。」
阿部が少し気まずそうに宮舘の方を向く。
「舘さん、本当に翔太と何にもないの?」
「…え?」
宮舘が硬直する。
「さっき、そこに女性がいたんだけど…その人が舘さんと翔太のこと、知ってたんだよね。」
阿部が先程の出来事を全て説明する。
「……そう、か。」
宮舘はその話を真剣に聞き、はぁ、と息を吐く。
「その話の感じだと、2人は高校が一緒で、かなり仲が良かったってことだよね?しょっぴーに舘さんのこと聞くくらいだし…」
ラウールが鋭く、宮舘に言い逃れができないように言う。
「….幼なじみ、なんだ。」
ついに、宮舘は渡辺との関係性を白状する。
「幼なじみ…?」
「産まれた病院が一緒で、俺らは何をするにも一緒だった。」
「うん?」
宮舘の説明にどんどん困惑していくメンバー。
「えっと?じゃあ、なんで?」
相当仲のいいはずの2人がこんなに距離があるのはおかしい。
「女性を見て、逃げ出したんだよね?」
確認のように宮舘が問う。
「多分…あの日から…」
宮舘は過去を振り返るために、目を閉じる。
(宮舘視点)
「…?」
後輩からの告白を断ったあと、俺は翔太の教室へ向かった。
でも、そこに翔太はいない。
(一緒に帰るって言ったんだけどな)
疑問に思って、翔太のクラスメイトに声をかける。
「翔太は?」
「ん?渡辺?涼太迎えに行くって言って、結構前にそっちクラスに行ったぜ?」
「え?」
「?」
でも、翔太はいないし…
「ありがとう。探してくるよ。」
感謝をして教室を後にする。
「あれ?宮舘じゃん。」
後ろから声をかけられた。
たしか、翔太のクラスの人だよね。
「しょーたなら帰ったぜ」
「え?」
帰った?
約束は…?
そのまま俺はひとりで家に帰った。
そのあともなかなか翔太も会えなくて、フランスに行くことも伝えられないまま、俺はフランスにやりたいこと、料理を学ぶために行った。
きっと、翔太だってやりたいことがあるんだ。
今は俺と一緒にいてくれてるけど、本当は我慢してるんじゃないか?
俺が料理を学ぶためにフランスな行くって伝えたら、翔太はきっと俺に着いてくるだろう。
俺のせいで翔太が自分の道を歩めなくなるなんて、俺にとっては、夢が叶わないことよりも辛い。
翔太を縛り付ける訳には行かない。
…でも、
最後に翔太に会いたかったな…
「はは、本当に俺は浅ましいやつだよ。」
宮舘が自嘲する。
「……」
メンバーは2人の過去を聞いて声も出ない。
「でもさ、翔太が怒ってるのは舘さんがフランスに行ったってことだよね?」
岩本が確認のように言う。
「しょっぴーが拒絶してたから伝えられなかったんだったら、それ以外になんかあるんじゃない?」
目黒がそんなことをつぶやく。
そうなのだ。
宮舘はその日のうちに渡辺に伝える予定であった。
だが、渡辺は先に帰ってしまい、そのあとも荷造りなどで渡辺に会えない日が続き、何も伝えられなかったのだ。
「聞かれてたんちゃう?」
向井がボソッと言う。
「…え?」
宮舘が固まる。
一気にメンバーの視線が集まる。
「話聞く感じやと、しょっぴーは舘さん迎えに行ったんやろ?クラスメイトに聞いてそこに行ったら告白されとって、フランスに行くことも聞いちゃった…みたいな感じなんちゃう?もしそうやったら、しょっぴー、むちゃくちゃ傷ついとるで。俺も嫌やもん。同じとこ行こー言うてたのに、急にフランスなんて知ってしもうたら。」
自分が渡辺の立場だったら…と想像してみた向井は寂しそうな表情で言う。
「そん、な…」
宮舘は目を見開いて固まったまま動かない。
「もしかしたら!の話やで!!」
変な空気になったと思ったのだろうか?
向井が慌てて、仮説であることを伝える。
(そうだったんだ…俺は…なんて事を…)
「しょう、た…」
宮舘は顔を下げたまま動けない。
コメント
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続きが楽しみすぎる!!!ゆり組!!!!